「意を決する」とは?意味や使い方を例文も含めてご紹介

「意を決する」という慣用句をご存じでしょうか。漢字をひっくり返して「決意」とすると、その意味が何となく分かりやすそうですね。重大なことを決めるときに「意を決する」と言います。この記事では「意を決する」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「意を決する」とは
  2. 「意を決する」の使い方
  3. 「意を決する」の類語

「意を決する」とは

「意を決する」の「意」は、心の中で思っていること、つまり、気持ちや思い、考えなどを意味し、「決する」は、決めるということです。人が、心の中で思ったり、考えたりしたことを実行するためには、時に勇気が必要な場合があります。

「意を決する」とは、そういう勇気を出したり、勇気を振り絞って、気持ちや思い、考えたことを実行しようと決断して、その結果をしっかりと受け止める覚悟をすること、決心することを意味する慣用句です。

「意を決する」の使い方

人生には決断しなければならない場面があります。その決断に躊躇したり、先延ばしにすることで、チャンスを逃して後悔することがあるかもしれません。逆に、決断実行しても、望んだ結果が得られずに後悔することもあります。

そういう決断をするかしないかという場面で、どちらを選択してもその結果を受け入れる覚悟を表す言葉として「意を決する」を使います。また、勇気を奮い起こしてというニュアンスでも使うことができます。

さらに、予期せずして起こった結果を受け入れる覚悟にも「意を決する」と言うこともあります。

【例文】

  • 夏休み、父の田舎で肝試しをすることになり、怖かったけど意を決して一人で墓場を一周して帰ってきた。
  • 長考の末、この一手が吉と出るか凶と出るか五分五分だったが、挑戦者の棋士は意を決すると持ち駒を手に取った。
  • 反対されることはわかっていたが、もう後には引けないと意を決して、妻に転職のことを打ち明けた。
  • 左遷させられる可能性もあったのに、彼は意を決すると上司の不正を上層部に告発した。
  • 地震で家具や食器が散乱した家の中を見てしばらく茫然としていた私と妻は、意を決すると猛然と片づけはじめた。

「意を決する」の類語

「腹をくくる」

「腹を括る(はらをくくる)」は、どのような結果でもそれをきちんと受け止めようと覚悟することを意味する慣用句です。

「腹」は、心の中の考え、気持ちなどを表し、「括る」は、まとめる、しめるという意味で、考えや気持ちを固く引きしめることから、「意を決する」の類語と言えます。

【例文】

  • ここまでくれば腹を括るしかないな。なるようになるさ。
  • 山岳部のメンバーが遭難したという一報に腹を括っていたが、無事だという連絡を受けて腰が抜けてしまった。

「臍を固める」

「臍を固める(ほぞをかためる)」も、堅い決意をもって覚悟を決めることを意味する慣用句(ことわざ)です。「臍」は、「臍(へそ)」のことです。人は、何かを決意するときには、腹に力を入れて臍を固くすると言われているところからきた言葉です。

【例文】

  • 今度のプロジェクトは社運がかかっているので、社長をはじめ社員一人一人が臍を固めて取り組まなければならない。
  • もう後がないと臍を固めてチャレンジした司法試験についに合格した。

「一念発起」

「一念発起(いちねんほっき)」の「一念」は、心のわずかな働きを表し、「発起」は、何かを思い立って物事を始めるということで、どちらも仏教用語です。

ここから「一念発起」は、今までの心を入れ替えて(=今までの迷いを捨てて)、仏教修行に身を投じて悟りを開こうと固く決心することという仏教用語ですが、それが転じて、それまでの生き方や考え方を改めて、何か物事に打ち込むという意味になりました。

過去を改め、新たに何かに打ち込もうとすることは、決心することに通じることから、「意を決する」の類語と言えるでしょう。

【例文】

  • 今まで何となくサラリーマンをやっていたが、ネットで就農支援の情報を見て、一念発起、退職して農業をすることにした。
  • 健康診断の結果が悪かったので、一念発起して生活習慣を改めた。

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