「見聞を広める」とは?意味や使い方をご紹介

人生をより有意義に過ごしていくためには「見聞を広める」ことがとても大切だと考えられています。読書をしたり、社会経験を積んだりと「見聞を広める」方法はたくさんありますね。この記事では「見聞を広める」の意味や使い方を紹介します。

目次

  1. 「見聞を広める」の意味
  2. 「見聞を広める」の使い方
  3. 「見聞を広める」の類語

「見聞を広める」の意味

「見聞を広める」は「けんぶんをひろめる」と読みます。「見聞」には「けんぶん」と「けんもん」の2つの読み方が存在しますが、後ろに「広める」が付く場合は「けんぶん」と読むのが一般的です。

意味は「見たり聞いたりして知識を得たり、経験を積んだりすること」です。「見聞を広める」と人生が豊かになり、人間的な成長も期待できると考えられています。

「見聞を広げる」という表現も見かけますが、「見聞を広める」のほうが多く使われているようです。

「見聞を深める」は誤用か?

「見聞を広める」のほかに、「見聞を深める」という表現もあります。どちらが日本語として正しいのでしょうか。

まず、「広める」と「深める」を比較してみましょう。たとえば「知識を広める」というのは、知識の範囲を広げるという意味です。それに対して「知識を深める」は、ひとつの知識について掘り下げていくというニュアンスが強くなります。

現在のところ、一般的には「見聞を深める」は間違いであると認識されているようです。世の中には誤用かどうか議論されている日本語が数多く存在しています。この「見聞を深める」も、いずれ広く使われるようになるかもしれません。

ちなみに「深める」を用いる表現に見識を深めるがあります。これは「知識や経験に基づいて、物事を理解し判断する力を磨く」という意味です。

「見聞を広める」の使い方

  • 今回の京都旅行の目的は、数々の神社やお寺を回って見聞を広めることです。
  • 会社での新しいプロジェクトは、自分の見聞を広める格好のチャンスになるだろう。
  • 見聞を広めるには、異なる業種の人々と意見を交わすことも大切だ。
  • 読書は、見聞を広めるのに一番手近な方法ではないだろうか。

「見聞を広める」の類語

「見聞を広める」の類語にはどのようなものがあるでしょうか。今回は、普段は接する機会の少ない四字熟語を中心にご紹介します。

「格致日新」

「格致日新(かくちにっしん)」「物事の本質を追求して知識を深め、常に向上していくこと」を意味します。「格致」は「格物致知(かくぶつちち)」の略で、物事の本質を追い求め、知識を増やしていくことを意味します。「日新」は日々新しくなるという意味です。

【例文】

  • 今回のテストで満点を取ったからといって油断することなく、格致日新の気持ちを忘れないようにしよう。
  • 格致日新の心を持ち続ければ、きっと成功することができる。
  • 彼は格致日新し、新しい技術を生み出すことに成功した。その業績は歴史に残るだろう。

「事上磨錬」

「事上磨錬(じじょうまれん)」とは「行動や実践を通じて、知識や精神を磨き修養すること」という意味です。中国明代の思想家、王陽明(おうようめい)の書物にある言葉です。

人の心の中の「私心(自分の利益を考える心)」は強いけれど、「良心」に従って生きるべきだというのが王陽明の考えでした。「良心」が大切だと頭で理解するだけでなく、日常の行動でも実際に「私心」にとらわれることがないように鍛錬することが大切だという教えです。

【例文】

  • 慢心することなく事上磨錬していけば、更なる高みに到達することもできるはずだ。
  • テレビを見て知識を得た気になっていてもそれは一時的なものである。身につけるには、事上磨錬することが必要だ。
  • ボランティアは事上磨錬できる場所としてうってつけだと思う。

「知見を得る」

知見(ちけん)を得る」「今まで持っていなかった知識を得て、経験を積むこと」です。「知見」とは「実際の経験で得られた知識や見識のこと」を意味します。「見聞を広める」とよく似た意味を持つ表現と言えるでしょう。

【例文】

  • 今回の仕事を通じてマーケティングの知見を得ていきたいと考えております。
  • 知見を得て、専門分野に精通した人間になりたい。
  • 災害から得られた知見を活かして、防災計画の見直しを図る。

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