「食い下がる」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「食い下がる」という言葉から、どのような状態を想像されるでしょうか。日常会話で使ってはいても「食い下がる」の本来の意味は知らない、あるいは誤った使い方をしている人もいるかもしれません。今回は「食い下がる」の意味や使い方について詳しく解説します。

目次

  1. 「食い下がる」とは
  2. 「食い下がる」の例文
  3. 「食い下がる」のネガティブな意味
  4. 「食い下がる」の対義語

「食い下がる」とは

「食い下がる(くいさがる)」とは、食いついて離れないという意味です。野生の肉食動物が獲物を逃すまいと必死に食いつきぶら下がる、その姿を「食い下がる」と言います。

また、人間に立場を置き換えて、相手に粘り強く立ち向かうことや、諦めずに追い求めることを「食い下がる」と表現します。例えば、「懸命に食い下がって交渉を続ける」というように使います。

動物の行動における「食い下がる」は主に強い相手を倒すための行動を指しますが、私たちが日常会話でこの言葉を用いる場合でも、自分の意見や要求を通しにくい「強い立場の相手」や「手ごわい相手」に使われることが多いようです。

相撲界における「食い下がり」

相撲の技術のひとつに「食い下がり」があります。それは、相手の胸に頭をつけて前褌(まえみつ)を引き、姿勢を低くして組み付くことを指します。

「食い下がる」の例文

  • 猟犬が大型の猪(いのしし)に食い下がり、ついに倒してしまった。
  • 彼が行った数々の不正を暴くために、どこまでも食い下がって取材を続ける。
  • 親に言われたことに納得できず食い下がってはみたものの、あらためて考えてみれば当たり前のことだった。
  • わが社の製品を先方に認めてもらえるよう、このまま食い下がってみても良いものか。

「食い下がる」のネガティブな意味

「食い下がる」という行為は、食い下がられる側にとっては、ネガティブな意味として捉えられることもあるでしょう。ネガティブな意味で使われる時は、「しつこい」「くどい」「しぶとい」などと同義です。

<例文>

  • 何度も断っているのにいつまでも食い下がられ、次第に面倒くさくなってきた。
  • 相手からのアプローチを断り続けていたのだが、なおも食い下がられたので無視を決め込むことにした。

「食い下がる」の対義語

「食い下がる」の対義語として「諦める」「引き下がる」「折れる」などの用語があげられます。いずれも、勝負や交渉から撤退するという意味です。

この中で「引き下がる」については、「食い下がる」と混同されやすい傾向がありますので、もう少し詳しく見ていきましょう。

「食い下がる」と「引き下がる」

「食い下がる」と「引き下がる」は、両方とも‘下がる‘が付きますが、意味は大きく異なります。「食い下がる」の下がるは‘ぶら下がる‘ことを、「引き下がる」の下がるは‘去る‘ことを意味しています。

したがって、「勝負や交渉に挑んではみたものの諦めた」と表現したい時には、「引き下がる」を用いるようにしましょう。「食い下がる」を「食い下がらない」と否定形にするだけでは、そもそも勝負や交渉に挑んでいないという意味となります。


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ