「やったもん勝ち」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「やったもん勝ち」というと、早く行動したほうが良いことを表すイメージがあります。しかし、あまり良い意味で使われないこともしばしばです。公的な文書や会話よりもフランクな話し言葉として使うことの多い「やったもん勝ち」の、意味や使い方を例文と一緒に紹介します。

目次

  1. 「やったもん勝ち」とは?
  2. 「やったもん勝ち」の使い方
  3. 「やったもん勝ち」と似た意味の言葉

「やったもん勝ち」とは?

「やったもん勝ち」とは、先に行動を起こした人(やったもん)が得をする(勝ち)という意味です。俗用表現に近い砕けた言葉で、改まった場や目上の方にはあまり使われません。

「やった」は「やる(遣る)」の過去形で、「何かをし終えた」という意味です。また、うまく物事を成し遂げた、何かが希望通りになった時に発する言葉としても使われます。

「もん」は人を表す「もの(者)」の音が変化した語。また、「勝ち」は勝負に勝つことですが、ここでは、結果として得をする、最終的に有利になるといった意味です。

「やったもん勝ち」の使い方

本来、「やったもん勝ち」は、素早く行動することで成功を収めることを指します。たとえば、新しい製品を発明をして富を得るといったことです。

しかし、ずる賢い計略によって得をするという意味で使うこともしばしばです。人をだましたり陥れたりといった行動は、常識を持つ人ならば躊躇してしまいます。よこしまな人はその隙に、それを実行して有利な立場に立ってしまうというわけですね。

なので、「やったもん勝ち」は、ポジティブに使うこともあれば、ずるいことをした人に対する批判に用いられることもあります

「やったもん勝ち」を使った例文

  • 「人生なんてやったもん勝ちだよ。悩んでないで行動しなきゃ」と、友達が背中を押してくれた。
  • 彼は、高嶺の花とみんなが諦めていた彼女に告白して付き合うことになった。やったもん勝ちとはこのことかと、みんな悔しがっている。
  • 他人の手柄を横取りして評価を上げた彼は、「やったもん勝ちだ」と開き直っていた。
  • 「彼女は、遅刻癖を注意しただけの課長をパワハラだって訴えたんだって。結果、課長は左遷されて、彼女のやったもん勝ちに。彼女、社内で怖がられているよ。」

「やったもん勝ち」と似た意味の言葉

言ったもん勝ち

「言ったもん勝ち」とは、何も言わない人よりも、何かしら主張したり提案したりした人の方が有利な立場になったり、得になったりする様子をいいます。

「やったもん勝ち」と似通ったところがありますが、「やったもん勝ち」はその人の行動全般に焦点を当てているのに対し、「言ったもん勝ち」は具体的に「言う・話す・主張する」などの行為自体に絞っている点が異なります。

【例文】

  • 言ったもん勝ちとはいえ、実現が難しそうな彼のプランが採用されたのには驚いた。
  • 端から見ると理不尽な言い分でも、言ったもん勝ちで、そちらの言い分が通ってしまうこともある。

先んずれば人を制す

「先んずれば人を制す」(さきんずればひとをせいす)とは、こちらが先に動けば(相手より)優位に立つことができることを指しています。これは以下の一節に由来する言葉です。

(原文)先即制人、後即為人所制
(読み下し文)先んずれば即ち人を制し、後るれば則ち人の制せらるる所と為る
(口語訳)他人より先に動けば他人を制することができる。しかし、遅れを取れば他人に制せられることになる。
ー司馬遷『史記』「項羽本紀」ー

この言葉は、「やったもん勝ち」の本来の意味、素早く動けば得をして成功するという意味に近い言い回しですね。「他人よりも先に行動するのが良い」という教訓としても用いられます。

【例文】
  • 先んずれば人を制すというから、早くから受験勉強を始めて志望校に合格した。
  • 他社よりも成果を上げるために、先んずれば人を制すで、急いで関係者への根回をした。


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