「起因する」とは?意味や使い方をご紹介

「因果」という言葉があるように、世の中の大抵のことには原因となる物事があるものです。涙が流れるのにも「失恋」「感動」「花粉」などの原因が考えられます。「起因する」とはこのようなときに使われる言葉です。こちらでは「起因する」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「起因する」:意味
  2. 「起因する」:使い方
  3. 「起因」「原因」「要因」:違い
  4. 「起因する」:類語

「起因する」:意味

「起因」は<きいん>と読み、「物事の起こる原因となること」という意味があります。それに「する」が付いて、「起因する」という動詞として使われます。いわゆる、サ行変格活用動詞と呼ばれるものです。

「起因する」は「物事が起こる原因となる」「物事を引き起こすきっかけとなる」という意味で使われます。

「起因する」:使い方

「起因する」は、物事が起きた時の始まりになったもの、最初のきっかけになったものを示す言葉です。
 

  • このトラブルは、従業員の不用意な発言に起因している。(従業員の不用意な発言がきっかけで、トラブルが起こった。)
  • このアパートの火災は、一人の住民の就寝前の喫煙に起因している。(住民が寝る前に吸ったタバコが原因で、火災が生じた。)
  • この事故は居眠り運転によるものだが、深刻な過労に起因している。(運転手の過労がきっかけで、事故が起きた。)
  • 昨夜の飛行トラブルは、整備不良に起因していたことが分かった。(整備不良がきっかけになり、故障につながった。)

「起因」「原因」「要因」:違い

「起因」「原因」「要因」のそれぞれに付いている「因」は、「物事の起こるもと」という字義を持つ漢字です。

つまり「起因」「原因」「要因」は全て「きっかけ」を表す言葉です。その中で、ニュアンスの違いがあります。

『原因』は「ある物事や状態を引き起こしたもとになった事・出来事」という意味で、3語の中で一番広い意味を持ちます。

原因の中で、最初のきっかけが『起因』、主要な原因が『要因』というように分けることができます。

具体例

自然災害の一つに土砂崩れがあります。大雨による土砂崩れで、道が塞がれてしまい、集落が孤立してしまった場面を想定します。

まず、集落が孤立してしまった直接的な『原因』は「土砂が道を塞いでしまったこと』です。

次に、土砂が崩れてしまったことについては、「大雨」が『起因』となっていますが、土砂崩れが起きた大きな『要因』は、「土砂用の防止柵が壊れていたのに、修理されていなかったこと」にあります。

「起因」「原因」「要因」の違いを理解していただけたでしょうか?「原因」を使うのが、一番無難ですが、「起因」や「要因」の意味も、ぜひマスターしておきましょう。

「起因する」:類語

引き金になる

引き金とは、ピストルを発射させる金具のことで、トリガーとも呼ばれます。「引き金を引く」とは、その動作によって弾丸が発射されることから転じて、事件のきっかけとなることを表すようになった言葉です。

「このトラブルは、従業員の不用意な発言が引き金になった」と「起因する」と同じ意味で使うことができます。

発端となる

「発端」とは「物事のはじまり」のことです。「発端となる」で「起因する」の言い換え表現に使えます。

「このトラブルは、従業員の不用意な発言が発端となった」で、不用意な発言が物事(トラブル)のはじまりになったという意味になり、「きっかけになった」ということを表すことができます。

その他

「起因する」は、多くの類語を持つ言葉です。下に、ほぼ同じ意味で同じ使い方ができる言い回しをいくつか挙げておきます。
 

  • きっかけになる
  • 理由になる
  • 契機になる
  • 起爆剤となる
  • 火付け役となる
  • 誘因となる

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