「一足先に」の意味とは?
「一足先に」(ひとあしさきに)は、少しだけ先にということです。「一足」は一歩だけ足を前に出してひとまたぎする様子をいい、そこからわずかな距離、わずかな時間といった意味で使われます。
「一足先に」の使い方
「一足先に」という言い回しは、わずかばかりの時間だけ、他の人よりも先に行動や体験をするといった場合に使います。「一足先に行く」「一足先に帰る」「一足先に春を楽しむ」などのように使います。
日常的な会話や書き言葉だけでなく、職場の人や目上の方に使っても差し支えありません。例えば、他の人よりも先に他の場所に行く時に「一足先に失礼します」といった形で使えます。また、「ひと足お先に」と接頭語の「お」を付けると、敬意を表せます。
「一足先に」の例文
- Aちゃん、一足先にコンサート会場に出向くって。
- 友達がコンビニで用事を済ませるというので、一足先に教室に戻った。
- 旬に先立って、一足先に初夏の初鰹を楽しんだ。
- Bさん、お願いしてもいい?一足先に会議室に行って資料を準備してもらえるとありがたいんだけど。
- それでは、一足お先に式典会場でお待ちしております。お気遣いなく、ゆっくりいらっしゃってくださいね。
「一足先に」の類語
一足早く
「一足早く」(ひとあしはやく)は、少しだけ早い時期に、少しだけ早い時間にという意味です。「一足早く」は「一足先に」の言い換え表現としても使えます。
【例文】
- 一足早く出て、受付の準備をしておきます。
- 10時に発表されるはずだったのに、一足早く事件が報道された。
先取り
「先取り」(さきどり)とは、人よりも先に行動する(「先に物を取る」という意味もある)ということです。そこから派生して、ある程度予測をしてから人に先んじて行動するという意味でも使われるようになりました。
「一足先に」と比べると、他よりも先に行動するというところがよく似ていますが、「先取り」には「少し先」という意味は含まれていません。
【例文】
- まだ暑さは残るが、季節を先取りして秋物を購入した。
- アンケートの結果、湯たんぽの良さが見直されているようなので、先取りして仕入れをするつもりだ。
さらに、サービスを受ける側が代金や利息、商品などを先に受け取るという意味で、「先取り」を使うこともあります。