「エモい」とは
「エモい」の「エモ」はもともと英語である「emotion」、「emotional」などの略称です。二つの言葉に共通している「emo」という部分を「エモ」と読みます。
その「エモ」という言葉が形容詞の形になっています。形容詞というのは「熱い」「固い」というように、その後に続く名詞を詳しく説明するための言葉です。
つまりは「emotion」という英語が「エモい」という言葉に変化して形容詞として使われているということです。
「エモい」の意味
「エモい」という言葉の由来がわかったところで、次は詳しい意味を見ていきましょう。
「エモい」の意味はもちろん元の英語である「emotion」、「emotional」という言葉が大きく関係しています。「emotion」という英語は「感情、情緒」という意味で、「emotional」は「心を動かす、感動的な」という意味です。
どちらの言葉も人の感情、心というキーワードが共通しています。特に「emotional」が持っている「心を動かす」という意味が「エモい」の主要な意味です。
何かを聞いたり、見たりすることで感動をしたり、感情が揺れ動かされたり、心が動いたときに「エモい」という言葉を使います。
「エモい」の多様性
「エモい」という言葉は決して「すごい!」とか「素晴らしい!」という賞賛の意味だけを含んでいるわけではありません。
「エモい」という言葉は音楽のジャンルの一つである「Emo」と密接な関係があります。このEmoというジャンルの音楽は豊かな旋律を持ち、明るさというよりは「哀愁」や、ほのかな「悲しさ」を含んでいるものです。
また、有識者によっては古典文学の「あはれ」という言葉に似ているという指摘もされています。「あはれ」もまた、プラスの感情やマイナスの感情が入り混じった言葉です。
つまり「エモい」という言葉はプラスの意味で心が動かされただけではなく、どこか「切なさ」や「悲しさ」をも含んだ心の揺れ動きを表す働きをすることがわかります。
「エモい」の使用法
それでは「エモい」の由来や、この言葉が含む多様性を確認したところで具体的な使用例を観ていきましょう。
前述したように「エモい」という言葉は音楽のジャンルと関係しているということもあって、音楽を聴いて感動したときに「この曲エモいなぁ」「歌詞がエモすぎる!」というような使い方をします。このときは、旋律や歌詞にプラスの意味で感動しているだけではなく、やはり「哀愁を感じている」というような意味も含まれています。
また「エモい」という言葉は使えるのは音楽だけではありません。ドラマのワンシーン、漫画のエピソード、小説の名場面…etc、様々なジャンルで「この登場人物の表情がエモい」「この小説の一場面がすごくエモかった」というように使うことができます。
「ヤバい」との違い
現代では似たような言葉で「ヤバい」という言葉もよく使われます。
前に見た具体例のように「この曲ヤバい!」「この歌詞ヤバい!」というような使用法で、その音楽を聴いたときの衝撃を表しています。「ヤバい」も強い感動を表す言葉としても使えますが、「エモい」という言葉が持つ「哀愁」「切なさ」「悲しさ」という意味は弱くなっています。「ヤバい」だけでは表せない複雑な感情の動きを「エモい」は表すことが可能なのです。
いかがでしたか?「すごい!」「素晴らしい!」とか「切ない」「悲しい」という多様な感動を「エモい」という言葉は的確に表してくれます。みなさんも音楽を聴いて、言葉にできない複雑な感動を覚えたときには「エモい」という言葉を使って、他者と感動を共有してみるのもいいかもしれません。