「待て」とは?意味や使い方をご紹介

「待て」は「待つ」という動詞の命令形ですが、シーンによって色々な意味で使われます。例えば、犬のしつけだったり、柔道の合図だったり。将棋でも使われますね。今回は「待て」の意味や使い方、ことわざなどをそれぞれ紹介していきます。

目次

  1. 「待て」とは?
  2. 「待て」の使い方
  3. 「待て」の付くことわざ

「待て」とは?

動詞の命令形

「待て」は「待つ」という動詞の命令形です。動作の中断や時間の経過を求める時に使います。

動作の中断という用法は、相手の行動を一旦取りやめてほしいという要求です。今していることや試そうとしていることをキャンセルしてくれ、と制止しているのです。

また、時を経てほしいという要望のこともあります。時間が経てば望んでいた出来事が叶うからそれまで様子を見てほしい、という意味です。待ち人の到来や借金の返済、活躍の機会到来などに使われます。

スポーツ用語

「待て」はスポーツ用語としても使われます。例えば柔道では、試合を一度中断する際に審判が「待て」と声をかけます。

「待て」がかかるのは、試合が膠着(こうちゃく)状態になりこれ以上進展がないと審判が判断した時や、道着が乱れた時です。その他、なんらかのトラブルが発生した時にも「待て」で中断されます。

ペットのしつけ

「待て」は、合図があるまで我慢させるペットのしつけや芸の一種でもあります。いわゆる、「おあずけ」です。基本的には犬に教える芸で、猫に教えることは滅多にありません。

ご飯を目の前に出しておいて、食べさせないで我慢させるのが典型的な「待て」です。一度「待て」と言われたら飼い主から合図が出るまでじっとしています。合図が出たら自分が我慢していた行動をとります。

上記の場合には単なる芸ですが、うまく使えばトラブルを避けることができるので、しつけの一種とも言えます。

将棋用語

「待て」は将棋や囲碁、チェスなどのボードゲームでも使われます。自分が駒を動かした後で、まさに今動かした操作をもう一度やり直すことです。「待った」とも言います。

詰将棋やコンピュータ相手の一人遊びではともかく、対人戦ではあまり認められないルールです。

とはいえ、将棋のマナーとして知名度が高く、将棋を指さない人にも知られています。漫画やアニメでも、将棋を指すシーンでは「待ったは無し」がテンプレートのように使われます。

「待て」の使い方

  • ちょっと待て。その仕事だけ先にやっても効率が悪い。先にこれをやってくれ。
  • え、家賃今日まででしたっけ。明日には払いますから一日だけ待ってください。
  • お互い柔道部で何度も取り組みあった仲だ。手の内を知り尽くした者同士の取り組みはすぐに膠着状態になり、待てがかかった。
  • うちで飼っている猫は芸達者だ。お手も待ても覚えている。

「待て」の付くことわざ

待てば甘露の日和あり

待てば甘露の日和あり」とは、そのうち運が向いてくるからチャンスを待ちましょうという意味のことわざです。

甘露とは甘い露のことで、中国の伝説では為政者が善政を行うと天から降り注ぐとされています。甘い露が降るような好機を待とうと、制止したり励ましたりする言葉です。

「待てば甘露の日和あり」は「待てば海路の日和あり」とも言います。海路は船が通っていく筋道です。船旅は天気に影響されやすいもの。悪天候で航海に出なくても天気が変わるのを待てばいいという意味ですね。

果報は寝て待て

果報は寝て待て」とは幸運は人間にどうにかできるものではないから運気が向いてくるのを待っている方が良いという意味です。「果報」は前世や過去の行いによって巡ってくる幸運や不運のことです。

「果報は寝て待て」の類義語に「人事を尽くして天命を待つ」があります。人事とは人間の力でできること。天命は人間にはどうにもできない運命です。やれることをしたら、後は神様に任せようという意味で使われることわざです。


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