「オーガニック」とは?意味や使い方をご紹介

「オーガニック」という言葉は、日常生活のなかで普通に使われていますが、どのようなイメージがあるでしょうか。体に良さそう、安全そう、価格が高そうなどが、挙げられると思います。ここでは「オーガニック」について、さまざまな角度から解説していきます。

目次

  1. 「オーガニック」とは
  2. 「オーガニック」の基準
  3. 「オーガニック」Q&A
  4. 「オーガニック」商品
  5. 「オーガニック」のまとめ

「オーガニック」とは

オーガニック」は英語の「organic」をカタカナ読みした言葉です。「organic」には複数の意味がありますが、日本で「オーガニック」という場合、主に二通りの使われ方をします。ひとつは大くくりで有機の」という意味。もうひとつは、より具体的に、以下のような定義を指します。

 

  • 化学肥料や化学合成農薬に頼らず、有機肥料や自然の賜物(土・水・太陽・生物など)をいかして生産すること
  • その農産物や畜産物、それによる加工食品
  • また、その育成方法である有機栽培、有機農法、有機農業

人は自然界の動植物と共に生き、また食物連鎖で繋がっています。その動植物の生存環境を整えることは、私たちの健康にも結びつきます。つまり、オーガニックの目的は、自然界における健全な食物連鎖を保つことと言えるでしょう。

なお、英語の「organic」は、フランス語では「biologique(ビオロジック)」に当たり、フランスなどでは、有機農産物や有機加工食品を「BIO(ビオ)製品」と一般的に呼びます。

「オーガニック」の基準

世界各国にオーガニック認定機関があり、その認定基準はさまざまですが、各機関が定める一定基準を満たしたものに、「オーガニック」と表示することができます。とくに1999年、コーデックス委員会*1が「有機」の国際規格を決めたことにより、それに基づき、日本をはじめ諸外国でも法律を定めています。

日本では2000年に、JAS法(日本農林規格)により、有機食品の検査認証制度が設けられました。現在ここでの厳しい基準*2をクリアした食品のみに「有機JASマーク」の使用が認められ、このマークがないものに、「オーガニック」や「有機」の名称表示をすることは、禁止されています。

*1 コーデックス委員会Codex Alimentarius Comission (食品規格委員会)は、国際的な食品規格を計画する実施機関で、現在のところ、世界的に通用する食品規格は、コーデックス規格だけになります。

*2 厳しい基準とは、規定の有機栽培に切り替えてからの経過年数、遺伝子組み換え技術の禁止、認定後も登録認定機関による継続的な調査など、さまざまな事柄におよびます。

「オーガニック」Q&A

「オーガニック」とともによく使われるのが「有機」「無農薬」「ナチュラル」という言葉。この項ではそれぞれの関係についてわかりやすく解説します。

「オーガニック」と「有機」の関係

(Q)

「オーガニック」と「有機」の違いは何ですか?

(A)

「オーガニック」と「有機」は、同じ意味で使っています。

「オーガニック」は「無農薬」?

(Q)

「オーガニック」なら「無農薬」なのですか?

(A)

「オーガニック」は、JASが認めたものなら農薬の使用は可能です。「オーガニック」なら「無農薬」というわけではありません。

農薬を使わなくなった時期や場所などが、あいまいなこともあり、2018年現在、無農薬や減農薬という言葉を、製品に表示すること自体が禁止されています。そのため、農薬の使用をひかえた作物を、「特別栽培農産物」としており、それにも基準が存在します。

「オーガニック」と「ナチュラル」の違い

(Q)

「オーガニック」と「ナチュラル」の違いは何ですか?

(A)

「オーガニック」は人の手を介した生産方法で、「ナチュラル」は、自然や天然のままを指しています。たとえば、有機農法で農家の人が作ったシソは「オーガニック」ですが、道端などに自生しているシソは「ナチュラル」です。

「オーガニック」商品

オーガニックという言葉は、「オーガニック食品」「オーガニックコスメ」など、オーガニックであることをアピールした商品によく使われます。オーガニック商品は、通常のものより値段が高い傾向にあります。以下に代表的なものをいくつか挙げてみます。

 

  • オーガニック食品・・・・・野菜、ジャムなど
  • オーガニックコスメ・・・・・化粧水、メイク用品など
  • オーガニックヘアケア・・・・・シャンプー、整髪料、カラーリング剤など
  • オーガニック繊維・・・・・オーガニックコットンなど

なお、日本農林規格があるのは、有機農産物、有機加工食品、有機畜産物、有機飼料だけで、これ以外の水産物、繊維などは、現在のところ日本の国が定めた基準がなく、生産者独自が行っています。

「オーガニック」のまとめ

「オーガニック」は自然に優しく、人や環境に配慮したものとされています。それゆえ「オーガニック」製品なら、「オーガニック」と記載がないものに比べ、味や成分も含め、全て優れていると思いがちですが、じつは一概にはそうとも言えません。

たとえば「オーガニックコスメ(化粧品)」は、2018年現在、オーガニック認証を受けた成分を一部でも配合していれば、名乗ることができるのです。そのため、他の成分もチェックしないと、良し悪しが判断できない製品です。

このように、「オーガニック」の名称がついていれば、全てのものが安全や良品かといえば、疑問が残ります。「オーガニック」だからと過信せず、ご自身でよく吟味して、商品を選ぶようにするとよいでしょう。

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