「飲み込む」の意味とは?
「飲み込む」(のみこむ)は、「呑み込む」とも表記することがあり、以下のような意味があります。
- (口の中のものを)噛まずにそのまま喉に流す
- 言葉や生理現象を出さずに抑える
- 取り囲む。外に出さないようにされる
- 理解する
「飲み込む」の使い方と例文
1.噛まずにそのまま喉に流す
「飲み込む」は、食べ物や薬などをそのまま、噛まないで一気に喉に流し込むことを言います。人だけでなく、動物にも使えます。
【例文】
2.言葉や生理現象を出さずに抑える
「飲み込む」は、口に出しかけたことを出さずに抑えるという意味でも使えます。例えば、言いたいことがあっても、トラブルを避けるために自制して言わないようにする、あくびやゲップなどの生理現象を人前で出さないようにすることなどが挙げられます。
【例文】
3.取り囲む・外側に出さないようにされる
「飲み込む」は、大きな建物や自然に取り囲まれたり、災害のような現象の中に引き込まれたりすることについて使われる場合があります。
例えば、人や物が建物、大自然の中に入って周りを取り囲まれている様子、もしくは、自然現象などの大きなものの中に引き込まれてしまう様子を表す場合もあります。
【例文】
- コンサート会場となったスタジアムでは、定員いっぱいの5万人もの人を飲み込んでいた。
- 大勢の通勤客を飲み込んだ列車がホームに入ってきた。
- サーファーは大きな波に飲み込まれたが、ボードを降りて難を逃れたようだった。
- 海外の活火山の映像を見ると、溶岩が山肌の木々を飲み込んでいた。
4.理解する
「飲み込む」は、相手の言い分や考え、状況などの説明、物事のやり方などをよく分かっている、理解するという意味でも使います。
【例文】
- 前もって丁寧に説明をしてもらったため、Aくんの意見はすんなりと飲み込めた。
- 表計算ソフトの使い方を飲み込んで、資料の作成に応用できた。
- 感情的に物を言うだけなので、君の言い分はまったく飲み込めないね。
- 新しい物事のやり方を飲み込むコツが掴めない。
「飲み込む」の類語
1の意味の類語:丸飲み/丸呑み
「丸飲み/丸呑み」(まるのみ)とは、食べ物などを噛まないでそのまま飲んでしまうことを言います。他に、物事をありのままに取り入れることなども表しますが、「飲み込む」と違う点は、よく理解しないまま全てを受け入れるところです。
【例文】
- バラエティ番組の罰ゲームで、敗者が生卵をそのまま丸飲みしていた。
- サメは小さな魚を丸飲みにしているようだった。
- 従業員の要求を丸飲みにしていたら、うちのような小さな会社は倒産してしまう。
2の意味の類語:我慢する・噛み殺す
「我慢する」(がまん-する)には様々な意味があります。その中でも、気持ちをこらえる、耐える、辛抱するということを表す場合、「飲み込む」に近いと言えるでしょう。
「噛み殺す」(かみころす)は、一見物騒なことを表しますが、話の途中などであくびや笑いなどが出そうになった時に、歯で噛みしめるようにして無理やり抑えるという意味でも使えます。
【例文】
- 生意気な奴に文句の1つでも言ってやりたいが、後々の事を考えて我慢した。
- 先方のあまりにもくだらない話に、あくびを噛み殺しながら付き合った。
3の意味の類語:収容する・巻き込む
「収容する」(しゅうよう-する)とは、人や物を建物や施設などの一定の場所に引き入れることです。「飲み込む」のように、建物などに入って周りを取り囲まれているさまに近い語です。
「巻き込む」(まきこむ)は、巻かれるようにして物や人を中に引き込むこと、もしくは、本人が望まないにも関わらず物事の巻き添えになることを言います。「飲み込む」の自然現象などに引き込まれる様子に似ています。
【例文】
4の意味の類語:承知する・納得する
「承知する」(しょうち-する)とは、相手の事情などを理解する、分かっているという意味です。他に、相手の事情を理解した上で許す気持ちを表したり、依頼や要求などを聞き入れることなども表します。
「納得する」(なっとく-する)は、人の考えや振る舞いなどについて正しく内容を把握し、当然であると理解して認めることです。
【例文】
- あなたが困っていることは承知しています。どのような方法が適切であるか、一緒に考えましょう。
- AさんがBさんに怒りを覚えるのはもっともだね。あなたの説明を聞いて納得したよ。