「えずく」の意味とは?
「えずく」とは、吐き気をもよおしたり、実際に吐いてしまったりすることを言います。漢字では、「嘔吐く(えずく)」と書きます。
歴史的仮名遣いでは「ゑづく」と書くため、「えづく」という表記も一部では見られます。しかし、一般的に多く用いられるのは「えずく」という表記です。
「えずく」は方言?
「えずく」はもともと京都の方言とされており、「朝、歯ブラシを口に入れたらえずいてしもたわ」のように用いられます。
しかし、「えずく」を使っている地域はほかにもあるため、京都出身ではないけれど聞いたことがあるよ、使うよという人もいるでしょう。
「えずく」は医療用語?
「えずく」は医療用語というわけではないようです。しかし、「おえっと吐きそうになる感じ」を一言で表す言葉がほかにないため、医療現場でも「えずく」が使われることがあります。
「えずく」の使い方
- 二日酔いで、今朝は起きたとたんにえずいてしまった。
- つわりが長引き、食べ物を口にするとえずきそうになるので、このところちゃんとしたものを食べていない。
- 愛猫が昨日からたびたびえずいているので、念のため動物病院に連れて行った。
「えずく」原因
ここでは、「えずく」症状別に一般的な原因を挙げます。
急な吐き気
急に吐き気が起きる場合には、次のような原因が考えられます。
- 飲み過ぎ、食べ過ぎ
- 食中毒
- 一時的な体調不良
- 一時的な極度の緊張
- 便秘
- 乗り物酔い
このようなときには、吐き気の原因になっている体調不良や緊張などを取り除くことで、比較的簡単に吐き気を抑えることができます。
慢性的な吐き気
吐き気が継続する場合には、次のような原因が考えられます。
【胃や腸の病気が原因のもの】
- 逆流性食道炎
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 腸閉塞(イレウス)
- 虫垂炎 など
【胃腸以外の病気によるもの】
- 肝炎・胆石症・膵炎
- 脳血管障害・脳腫瘍
- 尿路結石
- 心筋梗塞
- 糖尿病
- メニエール病
- 突発性難聴
- 緑内障 など
【その他の原因によるもの】
- 薬の副作用
- 精神的なストレス
- つわり など
上記の疾患には重篤なものもあります。病院で診察してもらい、できるだけ初期のうちに治療を開始することが有効です。また、精神的なストレスの場合は、ストレスの原因から離れる、神経科など専門機関を受診するなどの選択肢があります。
原因が特定できない吐き気
胃腸の粘膜には異常が見つからないのに、吐き気や胃もたれ、みぞおちの痛みなどが慢性的に続くことを「機能性ディスペプシア」と言います。
機能性ディスペプシアは、生活習慣や食生活の乱れ、胃や十二指腸の知覚過敏など、多くの原因が重なり合って発症するとされています。その治療法は、薬を飲んだり、生活習慣や食生活の乱れを改善したりすることです。
「えづく」とは
上で、「えずく」は「えづく」と書かれることもあると説明しました。しかし、それとは別に「えづく」という言葉も存在します。
「えづく(餌付く)」とは、鳥や動物が人間に慣れて、やった餌を食べるようになるという意味です。