「嬲る(なぶる)」とは?意味や使い方を語源を含めてご紹介

「嬲る」は日々の生活で馴染みのない言葉で、読める人も少なくなってきた字の一つです。時にニュースになることもありますが、要はいじめ倒すことを指している字です。今回は、そんな読めると教養があると思われるであろう「嬲る」の意味や使い方をお伝えします。

目次

  1. 嬲るの読み方
  2. 嬲るの意味
  3. 嬲るの由来
  4. 嬲るの使い方
  5. 嬲るの同義語や類語・連想される言葉
  6. 嬲るの反対語
  7. 嬲るは難読漢字のリストに載っている(まとめ)

嬲るの読み方

「嬲る」は訓読みで「なぶる」と読みます。音読みで「嬲」は「ジョウ」と読みます。熟語での使い方は殆どなく「嬲脳(ジョウノウ)」位でしょうか。

この字を見て乱交を思い浮かべる人が多いようですが、本来の意味は決して楽しいものではありません。「嬲る」の字を分解すると「男」+「女」+「男」の3つの漢字が一つに合わさったものだと判ります。また、同じ意味を持つ「嫐」は「女」+「男」+「女」が一つに合わさった漢字であるため、初めて見た方は本来の意味を思い浮かべるのは難しいでしょう。

嬲るの意味

「嬲る」の意味は元々は「男」が「女」に付きまとう事が転じて、以下のような意味となります。

1.自分より 弱い立場の者などを、面白半分に苦しめたり、もてあそんだりする。
2.他人をからかってばかにする。愚弄する。
3.自分の手でもてあそぶ。いじりまわす


ちなみに、男女の挟まりが逆になった「嫐」の字の意味はちょっと違っています。(以下)

1:たわむれる、もてあそぶ
2:うわなり
(歌舞伎18番の一つで男一人に対して女二人(嫁・愛人)の嫉妬する所作を指す。)

嬲るの由来

「嬲る」は、約1700年前の中国三国時代(日本では大和朝廷がまだ生まれていない時代)に作られた俗字で、ほぼ同じころに「男」と「女」の字を入れ替えた「嫐」という字も使われていました。

「嫐」の音読みは「ドウ・ノウ」と読みます。中国ではどちらも同じ意味で使われていました。中国では男女間の区別をつける習慣はなかったようですが、日本人は、漢字の形から情景や意味を考える風習があり、稀に「嬲るより嫐られたい」などと使う事があります。

嬲るの使い方

「嬲る」を言いまわしとしては、「嬲るような」「嬲るように」「嬲っている」のように使います。

例えば「猫が虫やネズミを嬲るように扱っている」という使い方をします。また、手で弄ぶときには「前髪を嬲っている」というような言い回しもします。「新入社員が上司から嬲られている」という言い回しもあります。

あまりきれいな言葉ではありませんが「嬲り殺し」という言葉もあります。しかし、現代ではあまりこのような使い方は聞けなくなっています。

嬲るの同義語や類語・連想される言葉

「嬲る」に似た意味を持つ言葉としては「あざける」「ふざける」「小突く」「小突きまわす」「揶揄(からか)う」などがあり、「感情的、精神的」に苦しめる意味で使う言葉には「拷問」「責めさいなます」などがあります。

また、他にも、「嬲る」と同じ様な意味で使う言葉には、「いじめる」「いびる」から「弄ぶ」「愚弄する」「慰みものにする」「心無い仕打ち」「面白がる」「生殺し」「冷やかし」「ヤジる」「囃(はや)し立てる」など日常語で使われるものが多くあります。

嬲るの反対語

「嬲る」の反対語は持ち上げておだてる意味で「持ち上げる」や相手のご機嫌を取る時に「ヨイショする」、誉めて人の起源を取る「おだてる」、手放しでほめあげる「べた褒めする」、うぬぼれさせる「いい気にさせる」などがあります。

これらの言葉は比較的、仲間内・家族・会社関係のお付き合いでよく使われている言葉です。

嬲るは難読漢字のリストに載っている(まとめ)

「嬲る」という字が古代中国で作られ、日本に漢字が伝来してきた時に入ってきた漢字の一つではありますが、いつからか日常会話の中では使われることが少なくなってきました。

若い人から見たら「嬲る」という字を見て「エロい」などと連想する方が多いのではないでしょうか。漢字字体の文化が後退していることも手伝って、読めない難読漢字になったことも、遠ざける要因になりました。「嬲る」は本来の意味も美しいものを表すものではない為、もしかすると段々死語となっていく運命にあるかもしれませんね。


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ