「進取果敢」の意味とは
「進取果敢」(しんしゅかかん)は、既存のことにとらわれずに意欲的に新しい物事に取り組み、優れた決断力で大胆に目の前のことを行う様子を表す四字熟語です。
四字熟語を2つの熟語に分けると以下のような意味となります。「進取」は自らが進んで新しい物事にとりかかること、「果敢」は思い切りよく決断し行動することです。
「進取果敢」の使い方
「進取果敢」は、積極的で大胆な性格を表すポジティブな意味の四字熟語です。相手をけなしたり悪口を言ったりするような使い方はあまり見られません。
成果を出した人の様子
「進取果敢」は、成果を出した人や有能な人物を描写する時に使えます。積極性や新しい物を取り入れる柔軟性、物怖(ものお)じせずに即決する気持ちの強さなどを表現できます。
【例文】
- A医師は、進取果敢に難病研究に取り組んだ結果、画期的な治療法を見つけた。
- 進取果敢な人は年下の人や後輩の考えをしっかりと聞き、自己責任で決める強さがある。
- 彼は進取果敢な人物で、新たな業務の責任者を任せるのにうってつけですね。
面接で自己アピールをする
「進取果敢」は、積極的で柔軟性があり自分で決断できる強さを持っていると主張できます。就職や転職、受験などの面接で座右の銘を尋ねられた時、「進取果敢」を使って自分の性格や目指している姿をアピールできるでしょう。
【例文】
- 私の座右の銘は進取果敢です。何事も既存の枠にとらわれず、責任を持って決断し事に当たるのをモットーとしております。
- 自分の強みを表すのは進取果敢という四字熟語です。以前の職場では創意工夫しながら仕事に取り組み、素早く決断して行動すると評価されておりました。
「進取果敢」と似た意味の四字熟語
勇猛果敢
「勇猛果敢」(ゆうもうかかん)は、人が勇ましくがむしゃらで強く決断力に優れている様子を言います。「進取果敢」のように、新しいことを積極的に取り入れる意味は含まれません。
しかし、決断したら一心に物事をやり遂げようとする部分は似ています。戦いや競技の場で使われることが多い四字熟語です。
【例文】
- 勇猛果敢に相手の陣地を攻め立てた。
- 格上のチームだが勇猛果敢に切り崩そうとした点はほめられるべきだ。
即断即決(即決即断)
「即断即決(そくだんそっけつ)」〈語順を逆にして「即決即断(そっけつそくだん)」ともいう〉とは、ぐずぐずせずにすぐにすべきことを決めて行動に移すことです。決断力があるところは「進取果敢」と似ていますね。
「即断」も「即決」も物事の判断をすぐに行う様子のことです。同じ意味の熟語を重ねて意味を強めています。
【例文】
- この道を進むべきが退くべきか、即断即決を余儀なくされた。
- 非常事態には迷う暇はない。即決即断が求められる。
「進取果敢」と反対の意味の四字熟語
優柔不断
「優柔不断」は、いつまでも態度を明確にせずに物事を決断できない人の様子を表します。「優柔」は、本来優しくて柔らか(穏やかという意味)な性格を指しましたが、周りを気にするあまり気が弱く迷ってはっきりとしないという意味に転じました。
「不断」は、はっきりと決められないことで、自ら積極的に動こうとせず、ずっと迷っていて自分で決められない「優柔不断」な態度は、「進取果敢」と真逆の性質を表しているようです。
【例文】
- パスタにするかドリアにするか早く決めてください!優柔不断もいい加減にしてくださいよ。
- どっちつかずで優柔不断な態度を取っていると、人から信用されなくなる。
意志薄弱
「意志薄弱」(いしはくじゃく)とは、積極的な気持ちが極めて弱く、決断ができない様子を言います。自ら進んで何かをしようとする心情も決断する覚悟もなく、一旦決めたことでも周囲の人の言動に左右されやすいため、「進取果敢」とは対極の様子を表しているようです。
「意志」は、目的のことを積極的にやり遂げようとするこころざしのことです。「薄弱」は、はっきりとせずに曖昧(あいまい)なままになっていること。この場合は、意志が弱いためにはっきりと決断もできない様子を指しています。
【例文】
- あの人は仕事をしたくないくせに、いざ会社に辞表を出そうとしても思いとどまる意志薄弱な性格だ。
- 酒を控えた方が良いのは分かってはいるが、意志薄弱でどうにもやめられない。