「意気阻喪」の意味とは?
「意気阻喪」(いきそそう)とは、意気込みなどがくじけて、やろうとしていた気持ちが弱くなってしまったさま、もしくは、元気がなくなってしまうことを表す四字熟語です。「意気沮喪」とも書きますが、現在は常用漢字を使った「意気阻喪」の表記を見かけるほうが多いでしょう。
「意気」は気持ちや心もちのこと、「阻喪」は勢いがなくなりくじけてしまうことです。「阻」「沮」にも気持ちがくじける、勢いがなくなるという意味があり、「喪」は失うことを表しています。
「意気阻喪」の使い方と例文
「意気阻喪」は、物事や動植物などの様子を表す場合には使用せず、人のネガティブな気持ちを表す時に使う言葉です。
例えば、邪魔が入ってやる気を削がれてしまう、トラブルなどのせいで願いや期待が叶わずがっかりしている、思わぬ失敗で元気がなくなってしまう様子などが挙げられます。
自分自身の心が沈んでいるような気持ちになった時、もしくは、第三者から見て落ち込んでいるような心情が見て取れた時に「意気阻喪」と表現できます。
「意気阻喪」を使った例文
- バレンタインに告白しようとしていたのに、彼が友人のことが好きだと知って意気阻喪した。
- カロリー計算をしてダイエットに励んだが、1ヶ月で500gしか減らず意気阻喪している。
- Aくんは懸命にクラスをまとめようとしたが、先生にやり方を咎められて意気阻喪して途中で投げ出してしまった。
- Bさんはオーディションで役を勝ち取ったが、監督の鶴の一声で強いコネを持つ人に奪われてしまい、すっかり意気阻喪している。
- 野球部の部長は大会前に怪我をしてしまい、最後の試合の出場が叶わず意気阻喪した顔つきでいた。
「意気阻喪」に似た意味の四字熟語
意気消沈・意気銷沈
「意気消沈/意気銷沈」(いきしょうちん)とは、あることが原因で気持ちが沈み込んでしまうこと、がっかりして元気をなくしシュンとしてしまうさまを表します。「消」は、きえる、なくなるなどの意味、「銷」は尽きる、ちるなどの意味です。
【例文】
- 流行病のせいで念願のライブが延期になったと通知が来て、意気消沈した。
- 希望が叶わなかったとしても意気銷沈することなく、前向きに行きましょう。
失望落胆
「失望落胆」(しつぼうらくたん)とは、望み通りにならずに非常にがっかりして落ち込む気持ちを表す四字熟語です。「失望」も「落胆」期待や望みが叶わずに気持ちが沈むことで、似た意味の熟語を重ねて強調しています。
【例文】
- 第一志望の大学に進学できず、失望落胆した。
- 彼の更生に期待をかけたが、また悪事が露見して、彼の両親は失望落胆するほかなかった。
垂頭喪気
「垂頭喪気」(すいとうそうき)とは、元気がなくなり気落ちしていること、非常にがっかりしている様子のことです。「垂頭」は、お辞儀するように頭を低く下げることで、がっかりして元気がないさまを表し、「喪気」は元気がなくなることをいいます。
【例文】
- その一報を聞いて、周囲の人は皆、垂頭喪気した。
- 試合に負けたチームのメンバーは垂頭喪気していた。
「意気阻喪」と反対に近い意味の四字熟語
意気軒昂・意気軒高
「意気軒昂/意気軒高」(いきけんこう)は、気持ちが高揚して奮い立っている様子、威勢が良く勢いが盛んなさまをいいます。「意気」は気持ち、「軒昂/軒高」は高く上がっている様子のことです。
【例文】
- おじいちゃんは意気軒昂で、友人たちと高齢者向けの体操教室に毎日通っている。
- 彼女はピアノの発表会に向け、意気軒高に取り組んでいる。
意気衝天
「意気衝天」(いきしょうてん)とは、意気込みがこの上ないくらい盛んで元気なことをいう四字熟語です。「衝天」とは、天をつき上げることをいい、そのくらい気持ちが上がり、盛んであることを表しています。
【例文】
- あの作曲家はヒット曲を次々世に出し、1990年代は意気衝天の勢いであった。
- 高度成長期は、どの人も希望に満ち溢れ意気衝天の感があった。
意気揚々(意気揚揚)
「意気揚々(意気揚揚)」(いきようよう)は、気持ちが高揚して威勢よく得意げに振る舞う様子をいいます。「揚々(揚揚)」は得意げな様子、もしくは、誇らしげにみえるさまをいいます。
【例文】
- 世界新記録を出したスポーツ選手は、意気揚々とスポーツカーから手を振りパレードをしていた。
- 青年実業家はインタビュアーから今後の展望を聞かれ、意気揚々と宇宙関連の事業に取り組むつもりと話していた。