シリアルとは
「シリアル」という言葉は、大きく分けて二つの意味で使われます。日本語では同じ音と文字ですが、英語の場合、一つは「cereal」、もう一つは「serial」となります。
以下、二つのシリアルについて説明いたします。
シリアル(cereal)とは
英語で「cereal」と記載する「シリアル」は、食べ物に関する単語。意味は下記のとおりです。
- 穀物。穀類。
- トウモロコシ・麦などの穀物を主原料とした加工食品。シリアル食品。
シリアル(セリアルという場合もあり)、そのままでも、また調理しても食べられるポピュラーな食品です。種類が豊富で、レーズンやナッツを加えた製品もあり、ビタミンやミネラル、食物繊維など、栄養素が強化された加工品も多彩。
牛乳をかける食べ方は、カルシウムも摂れるので、手軽なうえ美味しく、栄養バランスもいいことから人気があります。
シリアル食品の種類
シリアル食品として特に有名なのはオートミールやコーンフレークですが、ほかにも種類があります。
【オートミール oatmeal】
燕麦(えんばく:オート麦、オーツ麦)を加熱してひき割りにするか押しつぶした食品。水や牛乳などで煮て粥(かゆ)状にして食べる場合もあります。オートミールクッキーは、作り方が簡単でヘルシーなため人気です。
【ミューズリー muesli】
蒸した燕麦をローラーでつぶして押麦状にしたものを主原料に、ドライフルーツやナッツや種子などをミックスした食品。スイスが発祥。ミューズリーをサラダ具材として使う人もいます。
【グラノーラ granola】
蒸した燕麦をローラーでつぶして押麦状にしたもの。玄米などを原料に、ドライフルーツやナッツ、蜂蜜などのシロップや植物油を混ぜて、オーブンで焼いた食品です。グラノーラを棒状にした、グラノーラ・バーも人気があります。
【コーンフレーク・コーンフレークス cornflakes】
トウモロコシのひき割りを蒸気で加熱し、薄く押しつぶして乾燥させた食品。多くは加工の際に、砂糖や蜜などで味付けされます。アメリカのケロッグ兄弟が作ったのが始まりです。牛乳をかける定番の食べ方をはじめ、さまざまなアレンジがあります。チョコフレークも有名ですね。
シリアルの健康・美容効果
一般的にシリアルには、いくつもの栄養素を手軽に摂れる利点があります。そのため乳児の離乳食、子供のおやつ、妊婦の食事、介護食、病院食と、幅広く利用されています。また、腸内環境を整えたり、むくみの解消、肌荒れ対策など、健康・美容効果もあるとされています。
さらにシリアルは、油分が少なくコレステロールの心配をしなくてもよいので、ヘルシーな食品として、ダイエットに利用する人もいます。ただし、コーンフレークなどは糖質が高めなので、糖質が低めのミューズリーがダイエット食としては適しています。
シリアル(serial)とは
一方、英語で「serial」と記載する「シリアル」は、「(番号などが)連続的な、通しの」という意味を持ちます。単独で用いるより、「シリアル+名詞」の複合語で表す場合がほとんどです。以下にいくつかご紹介しましょう。
【シリアルナンバー serial number】
確認などのための通し番号、一連の番号。製造番号として使われる場合もあります。パソコンなどの製品には、1台1台に固有のシリアルナンバーが付され、識別されます。
【シリアル伝送 serial transmission】
データ通信で、1本の通信路でデータを1ビットずつ順次伝送する方式。パソコンとハードディスクドライブをつなぐシリアルATA(SATA)が有名です。
【シリアルプリンター serial printer】
行やページ単位ではなく、1文字ずつ印字する仕組みのプリンター。インクジェットプリンターなど、家庭向け製品に多く見られます。
【シリアルキラー serial killer】
連続殺人犯。やはり「連続的な」という意味で「シリアル」の語が使われています。ベストセラーとなった『FBI心理分析官』の著者、ロバート・K・レスラーが用いたのが端緒とされる表現です。
シリアルのまとめ
シリアルは、英語で記すと「cereal」と「serial」に分かれます。「シリアル」と一言で言った場合、日本ではシリアル食品を指していることが大半ですが、最近では「シリアルナンバー」に代表されるように、もう一つの使い方もポピュラーになりました。
この機会に、英語の綴りも含め、両者の明確な違いを覚えていただけると幸いです。