「逆スラッシュ」とは
「逆スラッシュ」とは、スラッシュ「/」や「/」の傾きを逆にした、右下がりの斜線記号のことです。バックスラッシュ(backslash ,reverse solidus)、逆斜線(ぎゃくしゃせん)とも呼ばれます。
「2020/12/1」のような日付形式や、「1/3」のような除算や分数の表記で使う機会が多いスラッシュ「/」と違い、逆スラッシュはあまり使う機会はないでしょう。
なお、この記事では、半角の逆スラッシュは全角の逆スラッシュ「\」で、半角の円マークは全角の「¥」で表記しますのでご注意ください。
逆スラッシュ記号の意味・使い方(顔文字)
逆スラッシュ記号は、次のような顔文字において、挙げている腕や顔を覆う手を表現しています。全角だけでなく、半角の逆スラッシュ記号が使われることもあります。
/(^o^)\オワタ
(/д\)ゥェーン
(/∀\*)キャ
逆スラッシュ記号の意味・使い方(コンピュータ)
MS-DOSにおける半角逆スラッシュ記号
一般的なパソコンユーザに関わりがあるのは、ディレクトリの区切りとして使う半角逆スラッシュ記号でしょう。MS-DOS(後継のWindowsも含め)において、逆スラッシュ記号は、ディレクトリ名の後に記述する区切り文字です。
たとえば、「c:\User\document\aaa.txt」であれば、CドライブにあるUserフォルダ内の、documentフォルダの中の「aaa」という名称のテキストファイル、を表します。
なお、環境によっては、ディレクトリの区切り文字として、半角円マークや半角スラッシュが使われます。
C言語やUNIXにおける半角逆スラッシュ記号
半角逆スラッシュ記号は、C言語系のコンピュータ言語において、後に続く文字に本来とは別の解釈を与える役割をもつエスケープ文字です。
また、OSの一種であるUNIXのプログラムなどでは、後に続く文字の打ち消し記号として働きます。
プログラミングをしない人にとって、これらはイメージしにくいでしょうから、使い方の説明は割愛します。
逆スラッシュ記号の入力方法
Windowsなどの日本語対応キーボードでは、全角逆スラッシュ記号を入力する場合、全角入力にしてから右側shiftキーの左隣にある「\」キーを押します。環境によっては、半角に切り替えて同じキーを押すと半角逆スラッシュ記号が入力されます。
一方、Macの日本語対応キーボードでは、optionキー+「¥」キー(deleteキーの左隣)を押します。全角半角の切り替えは、これらのキーを押す前に行ってください。
また、どちらのOSでも「すらっしゅ」の変換候補として全角や半角の逆スラッシュ記号が表示されることがあります。その場合は、そこから選択することで入力可能です。
ただし、この方法でに半角逆スラッシュ記号を入力したとしても、環境によっては半角円マークに文字化けすることがあります。次の項目では、その理由について説明しましょう。
逆スラッシュ記号と円マーク
逆スラッシュ記号と円マークの関係
パソコンで半角逆スラッシュ記号を入力したところ、半角円マークが表示されたという経験がある人もいるでしょう。この現象はなぜ起こるのでしょうか?
日本語の符号化文字集合規格(JIS X 0201)では、0x5c番地に半角円マークが指定されています。一方、ASCIIを拡張した国際規格(ISO/IEC 646)では、半角逆スラッシュ記号が指定されています。
そのため、文字の入力環境によって同じ0x5c番地の文字の解釈が混同し、文字化けが起こるのです。
逆スラッシュ記号と円マークの文字化け
半角逆スラッシュ記号と半角円マークの文字化けは、使用しているフォントや入力しているツール(ワープロソフトやプログラミングソフト、ブラウザなど)といった環境に起因します。
日本の規格で解釈しているフォントやツールでは、入力した半角逆スラッシュ記号が半角円マークで表示されます。
逆に、国際規格を使用しているフォントやツールでは、入力した半角円マークが半角逆スラッシュ記号に文字化けします。
この記事で、半角逆スラッシュ記号や半角円マークを全角に置き換えていたのは、文字化けを防ぐためでした。