「気概」の意味
「気概」は「きがい」と読みます。意味は、「困難にくじけない強い意気。気骨。いきじ」です。自分の意志をしっかり持ち、他人の意見に簡単に屈しない気前や心構えを指します。
「気概」を分解してみると「気」は「精神・心の動き」、「概」は「その人物から感じ取れる風格。おもむき。節操」を意味します。ポイントは、「概」の「節操」という意味で、「信念を固く守って変えないこと」を表します。
強い気持ちという部分では、「やる気」という言葉と似ていますが、「気概」は困難に遭遇していることが前提になっており、より一層強い気持ちを表しています。
「気概」の使い方
「気概」は「人の心」を表し、気概を持つ・気概があるのように使います。気概があると判断するのは基本的に他人で、自分ではありません。他人から「彼は困難に立ち向かう強い信念を持っている」と評価されたとき、初めて「気概のある人間」となります。
「気概がある」の反対は「気概がない」。困難に遭遇すると粘ろうとせず、すぐに自分の意見を変えてしまうような人物を指します。
「気概」を使った例文
- 今年の新入社員の中に、私の追求に応えることができる気概のある若者はいるだろうか?
- 最近の学校の先生は、パワハラやモラハラを恐れるばかり、気概のある人材が減ってしまった。
- 彼はマラソンの授業でいつも最後尾を走っているが、最後まで諦めない姿はとても気概を感じる。
- 会社員として気概のある人物は好ましいが、結果を出せることが一番重要である。
「気概」の類語
「気概」の類語は3つあります。
- 根性(こんじょう)
- 反骨(はんこつ)
- 胆力(たんりょく)
それぞれ意味をみていきましょう。
「根性」
「根性」は以下の意味があります。
- その人の根本的な性質。性根。
- 困難にもくじけない強い性質。
最近は口にすることが少ないかもしれませんが、ひと昔前は「根性が足りない」「根性を見せろ」と相手を奮起させるためにこの言葉がよく使われていました。「困難にくじけない」という部分は「気概」と同じです。しかし、「気概」に1の意味はないので注意が必要です。
【例文】
- 炎天下で15km走り切った私を見て、監督は「大した根性だ」と褒めてくれた。
- いつも終盤になると逆転されてしまうチームに対して、「根性が足りないからだ」と痛烈な野次が飛んだ。
「反骨」
「反骨」の意味は、「容易に人に従わない気骨。権力に抵抗する気骨」です。「簡単に相手に流されない・簡単に自分の態度を変えない」というところは「気概」と同じですね。
「反骨心」または「反骨精神」という言葉を耳にしますが、これは強い立場・権力に対して、「自分の考え・意志を貫き通すこと」を指します。「気概」という大きな括りの中に「反骨」があるというイメージを持つとよいです。
【例文】
- 上司に媚びへつらう彼の姿を見て、落胆するとともに、反骨はどこに行ったのかと不思議で仕方がない
- 育ってきた環境が、彼女の反骨を確固たるものにしたと推察できる。
「胆力」
「胆力」の意味は「ものに恐れず臆しない気力。度胸」です。「胆力を練る」「胆力を鍛える」という使い方があり、元から備わっている「臆(おく)さない力」を成長させることができます。
仕事で失敗したときに、慌てることなく冷静に対処できる力、失敗を恐れずに何事にもチャレンジできる力も「胆力」です。「強い心・気持ち」は「気概」と通ずるところです。
【例文】
- 新しい事業のプレゼンに参加するか迷っている私に、「胆力を養ういい機会だ」と上司が背中を押してくれた。
- 彼女は確かに仕事に対して厳しいけれど、一緒に仕事をしていれば自然と胆力が鍛えられるよ。
「気概」を英語で表現
「気概」を英語にすると「guts(ガッツ)」や「spirit(魂)」が一般的です。「強い意志・気持ち」を強調したい場合は、「backbone(背骨の意、転じて、強固な性格)」を使うのもおすすめです。
【例文1】
- She has spirit and is liked by her boss.
- 訳:彼女は気概があり、上司から気に入られている。
【例文2】
- The president smiled when he saw a new employee with backbone.
- 訳:気概のある新入社員を見て、社長に笑みがこぼれた。