「虚栄心」の意味とは?
「虚栄心」(きょえいしん)とは、実際は大したことがないのに実質よりも良く見せようとする気持ちのことです。「虚栄」は、実質が伴わないのに見せかけだけ飾り立てること、「心」は気持ちや精神の動きを表します。
「虚栄心」の使い方と例文
「虚栄心」は、人の心持ちや性格を表す言葉ですが、中身が伴っていない様子、飾り立てることで優越感に浸る様子などを表します。第三者から見た「人の印象」について使うケースが多く、良くない意味で使われることがほとんどです。
ここでは「普段の生活」と「SNSやブログ」の2つの場面に分けて、「虚栄心」の使い方と例文を見ていきます。
普段の生活
普段の生活をよく見せようとする場合、例えば、大げさに自慢して周囲の人に注目されたり、羨ましがられたりするのを楽しむ様子、無理して高額なブランド品を買って持ち歩いたり、ファッションに身を包んだりして見せつける様子などが挙げられます。
このような場合、日頃のお付き合いで自分が優位に立って相手を支配する行為、いわゆる「マウントを取る」ことで、自分の「虚栄心」を満足させることもあるようです。
【例文】
- Aさんは、虚栄心を満たすために旦那と子供のできの良さを自慢するが、家庭の不和は深刻だと噂されている。
- Bさんは、虚栄心が強く、ブランド物の腕時計をこれみよがしにつけている。
- Cくんは、しきりに会社が儲かっているように言うが、実際は大したことはなさそうだね。
SNSやブログ
SNSやブログ記事での書き込みや写真画像の投稿で、不特定多数の人に自分はいかに充実しているかを自慢して見せる人もいます。
人からの羨ましいというようなコメント、「いいね」の数やフォロワーの人数が多くなることで注目されていると感じて、「虚栄心」を満たすのです。
例えば、金銭的にも仕事や趣味でも充実した生活をしていることを匂わせる画像、デートなどの写真を撮って素敵な恋人がいることを自慢する様子などが挙げられます。
【例文】
- キラキラ女子(生活が充実している女性)のブロガーは、しょっちゅう「家にお迎えした」と高額な商品を載せているが、虚栄心が強いのではないかな。
- 虚栄心から、彼は、「リゾート地で彼女と休みを満喫中」とSNSに投稿したのでは?
- 彼氏に写真を撮られたとSNSにあったけど、虚栄心の強い彼女はハイスペックの彼と別れたのを知られたくなくて自撮りしたのだと思う。
「虚栄心」を使った語句の例
- 虚栄心が強い…自分を飾り立てる気持ちが強い。
- 虚栄心の塊(かたまり)…飾り立てることに夢中である。自分をよく見せることに凝り固まっている。
- 虚栄心を満たす…よく見せようと飾ることで満足する。
- 虚栄心のなせる業…自分をよく見せようとして、ついしてしまう行動。
「虚栄心」の類語
見栄っ張り
「見栄っ張り」(みえっぱり)とは、人に自分を良く見せようとして上辺だけを飾ること、もしくは、そのような人を言います。「見栄」は、他人を意識して必要以上に良く見せようとすること、「張る」は、見かけを良くしようとすることです。
【例文】
- 姉は見栄っ張りで何かにつけて優位に立とうとするので、話をしていてとても疲れる。
- 見栄っ張りな人が海外旅行や、高級レストランに行った話を嬉しそうにしている。
自惚れ・己惚れ
「自惚れ/己惚れ」(うぬぼれ)とは、周囲から見て自分のことを実際以上に高く評価して得意に思っていることを言い、「自惚れ/己惚れが強い」という使い方もあります。「自」も「己」も自分自身のこと、「惚れ」とは心酔していることです。
これらの言葉は、どちらも得意げに振る舞う様子が見られます。ただし、「虚栄心」は、自分を飾り立てることで、他人からの評価を高める(高めようとする)のですが、「自惚れ/己惚れ」は、自分を高めに評価するという点が違います。
【例文】
- Aさんは自惚れが強くて、いつも自信満々だが、他者からの評価はかなり低い。
- B氏は独力で成功したと己惚れている。
自己顕示欲
「自己顕示欲」(じこけんじよく)とは、自分が目立つようになりたい、周囲から注目されて認められるようになりたいという欲求を言います。
「自己」は自分自身、「顕示」はひけらかすこと、「欲」は「~したい」という欲する心のことです。「虚栄心」も「自己顕示欲」も人から注目されたいという点では、似ている部分がありますね。
【例文】
- 彼女はスタイルが良く、着飾って人目を引くことで自己顕示欲を満足させている。
- いつでもSNSでのアピールがやめられない彼は、自己顕示欲の塊に見える。