「寛大」の意味
「寛大」の読み方は、「かんだい」です。意味は大きく2つあります。
- 心の広くゆるやかなこと。
- おおようなこと。
2の「おおよう」は、漢字で「大様」と書き、「度量(人を受け入れる心)が大きいこと・ゆったりと落ち着いていること」を意味します。つまり、寛大は「心が広く、度量が大きいこと」と覚えましょう。
「寛大」は、人の性格を表すときによく使われる言葉です。例えば「他人のミスをむやみに責めない人」「少しの間違いは受け入れてくれる人」を、「寛大な人」と言うことがあります。
「寛大」の使い方
「寛大」の文章中での使い方は、名詞または形容動詞です。名詞の場合は「寛大だ・寛大である」、形容動詞の場合は「寛大な・寛大さ」のように表記します。それぞれの使い方を例文とともに紹介します。
「寛大」を使った例文:名詞
- 借りた教科書を汚してしまった私を、許してくれるなんて彼は寛大だ。
- 万引きの被害を受けているにも関わらず、あのスーパーは客に寛大である。
「寛大」を使った例文:形容動詞
- 大事な書類に記入ミスをした私を、上司は寛大な心で許し、汚名返上のチャンスをくれた。
- 未成年での飲酒がばれて、最悪の事態を覚悟したが、店側の寛大な処置で事なきを得た。
- 社長の寛大さに触れたことで、私はこの会社に身を捧げようと決心した。
「寛大」の類語
「寛大」の類語として3つの熟語を紹介します。
- 「寛容(かんよう)」
- 「雅量(がりょう)」
- 「おおらか」
「寛容」
「寛容」の意味は次の通りです。
- 寛大で、よく人をゆるし受け入れること。咎(とが)めだてしないこと。
- 他人の罪過をきびしく責めないというキリスト教の重要な徳目。
「寛容」と「寛大」はよく混同される熟語ですが、ともに「広い心を持って、人の過ちを許すこと」という意味があります。2つの熟語の大きな違いは、意味のどこに重きを置いているかです。
「寛容」は「人の過ちを許すこと」が重要であるのに対し、「寛大」は「心が広いこと」に重きが置かれています。使い分けるときは、重きを置く部分に注目すると良いでしょう。
【例文】
- 日頃から寛容な態度を見せる彼女だが、やって良いことと悪いことの分別はしっかりできている。
- 彼の寛容なところに、私は幾度となく救われてきた。
「雅量」
「雅量」の意味は「広くおおらかな度量」です。意味は「寛大」と極めて近く、言い換えとして使用できます。注意すべき点として、「雅量」は形容動詞で使うことができないため、「雅量な」「雅量さ」という日本語はNGです。
【例文】
- 彼にあれこれ注意すると、彼を許した部長の雅量を傷つけることになってしまう。
- あの鬼コーチも雅量を持ち合わせていたようで、試合でミスをした子を責めることはしなかった。
「おおらか」
「おおらか」の意味は、「ゆったりとしてこせこせしないさま。おおよう」です。「おおらかな人」は、些細なことにイチイチ反応しないどっしりした人、「おおらかな話し方」は、ゆったりとした話し方を指します。
「おおらか」を口頭で使う場合は、少し注意が必要です。例えば「君はおおらかな性格でいいね」と言われた場合、2つの解釈ができます。
- 君は心が広くて、優しい性格だね。
- 君はあまり物事を深く考えない性格だね。
1は「褒め言葉」と捉える人が多いでしょうが、2は人によっては「嫌味」と感じるかもしれません。このように受け手の考え方で意味が変わる言葉は、使い方が大切です。
【例文】
- 行列に割り込む人を見て頭にこないなんて、君はおおらかな人間なんだね。
- 私は小さいことでもすぐに気になるタイプだからおおらかな人に憧れるよ。
「寛大」と反対の意味に近い関連語
「寛大」と反対の意味に近い熟語をいくつか紹介します。
- 「狭量(きょうりょう)」…人を受け入れる心の狭いこと
- 「厳格(げんかく)」…厳しくして、いい加減にしないこと
- 「偏狭(へんきょう)」…度量のせまいこと
- 「けちくさい」…小心で、こせこせしていること