「あざお」とは
相手に「あざお」と言われて、僕の名前は「○○」で「あざお」じゃないよと言った人があるそうです。一見、人の名前のようですが、「あざお」は、「ありがとう」という意味の若者言葉です。冒頭で挙げた「あざーす」も同じです。
言葉の変化の流れは、「ありがとうございます」→「あざーす」→「あざお」あるいは「あざおです」と言われていますが、「お」の由来は不明です。若者言葉は、一般的に言葉を省略して短くする傾向にありますが、これはSNSなどの普及が影響しているようです。
「ありがとうございます」を省略した言い方には、ほかにも「あざ」「あざす」「あざま」「あざます」「あざまる水産」などがあります。最後の「あざまる水産」は、2018年にJC・JK流行語大賞・コトバ部門の第2位に選ばれています。
「あざまる水産」とは
「あざまる水産」が、なぜ「ありがとうございます」なのでしょうか。これは、「ありがとうございます。」が、「あざ。」→「あざまる」と変化したそうですが、以前から、「。」を「まる」と読むことが流行っていたこともあって、「あざまる」になったと言われています。
一方の「水産」は、「磯丸水産」という居酒屋チェーンと「丸(まる)」の語呂合わせで、語感などの相性が良いことから使われだしたようです。
「あざお」の使い方
「あざお」は、「ありがとう」と感謝を表す言葉で、SNSでのやり取りで使うのが一般的ですが、会話でも使うことができます。
ただし、仲のいい友人などの間で使うのはいいとしても、上司や先輩、年配の人に使うのは好ましいとは言えず、避けるべきでしょう。
【例文】
- 昨日は楽しかったね。あざお。
- 応援、あざお。助かった。
若者言葉あれこれ
ここでは、「あざお」のように省略したりして、元の言葉が想像できないようなものも含めて、若者言葉をいくつかご紹介します。
「愛上男」
「愛上男(あいうえお)」は、恋愛が上手な男性という意味です。2013年にマイナビウーマンが行った調査「理解できない若者言葉」で一位に選ばれています。
「アツモリ」
「アツモリ」と聞くと、歴史や古典芸能などに通じている人は「敦盛」を思い出すかもしれませんが、若者言葉では違います。「熱盛」と書き、テンションが高いとか気持ちが熱く燃えている状態のことを指します。
この言葉は、テレビのスポーツニュースの中で、プロ野球選手の熱いプレーに対してアナウンサーが「アツモリー!!」と叫んで、同時に画面にテロップが入ったことに由来しています。
「意味深」
「意味深(いみしん)」は、意味深長(いみしんちょう)の略語で、おそらく知っている人も多いでしょう。意味は、言葉の表面上の意味のほかに別の意味が隠されていること、またはそのさまです。
「おはまる水産」
「おはまる水産」の「おはまる」は、「おはようございます」の「おは」と「花丸(はなまる)」の「まる」をつないだもので、いい朝、はなまるな一日という意味です。「水産」の語源は、「あざまる水産」と同じです。
「チート」
「チート」は、不正やごまかしを意味する英語「cheat」のことで、コンピューターゲームのプログラムを不正に改変したり、不正手段でアイテムを入手することを言います。英語の意味からIT用語として使われている言葉をほぼそのまま使っています。
なお、このような不正行為を行う人間のことは「チーター(cheeter)」と呼びますが、動物のチーター(cheetah)とはスペルが異なります。
「ネット弁慶」
「ネット弁慶(べんけい)」は、リアル社会ではおとなしいのに、バーチャルでは強気で発言する人のことを指します。家の中では威張っていても、外では意気地なしを意味する「内弁慶(うちべんけい)」を捩(もじ)った言葉です。
インターネットの中では、かなり強気な発言をしている人がいますが、そういう人を揶揄(やゆ)するようなときに使われています。