「引っ込み思案」の意味とは
「引っ込み思案」(ひっこみじあん)は、人の性格や様子を表す言葉です。積極的になれずに進んで人前に立ったり、行動をしたりするのが難しい様子、おとなしく人とのコミュニケーションが苦手で内向的な性格を言います。
「引っ込み」は、物事やその場から引いていること、「思案」は、あれこれと思いを巡らすこと、心配や物思いにふけることを言います。
人がいる場から離れて、どうやって人と付き合おうか、人前に出るにはどうしたら良いかとあれこれと考えて行動に移せずに不安になる様子が感じられます。
「引っ込み思案」の使い方
「引っ込み思案」は、人と話すのが苦手で、内にこもってしまう様子を表す時に使われます。性格が暗い印象を与え、あまり良い意味で使うことはありません。
自分が「引っ込み思案」である場合
自分自身を「引っ込み思案」と言う場合、そのような性格に悩んでいることがほとんどです。直そうとしても話かける際にぎこちなくなってしまったり、相手に気を使わせたりして内心落ち込む人もいるそうです。
【例文】
- 知らない人が大勢いると、引っ込み思案の私は、会話が続かずにその場から逃げたくなる。
- 引っ込み思案だと、朝礼のスピーチは緊張して本当にきつい。
他の人から見た「引っ込み思案」の人の印象
他人が人の性格や様子を「引っ込み思案」と評する場合、同じような性格であれば共感する意味で使うこともあるでしょう。
しかし、社交的な人は自分と正反対の性格の「引っ込み思案」な人を見て、口下手を言い訳にしていると感じるかもしれません。やる気や協調性がないように見え、なぜ人と付き合おうとしないのかと相手に忠告や注意をする際に使う場合があるようです。
【例文】
- Aさんも自分と同じで引っ込み思案だから、初めて取引する会社には行くのが辛いだろうな。
- Bさんは引っ込み思案と言っているようだが、覇気(はき)がないだけじゃないのか。挨拶して天気の話さえすれば後はなんとでもなるよ。
「引っ込み思案」の類語
人見知り
「人見知り」(ひとみしり)は、もともと生後6ヶ月以降の赤ちゃんや幼児が、見知らぬ人を見ると恐れて泣き出したり、顔を背けたりする反応を言いました。転じて、人間関係に苦手意識を持ち、人と話すのを恐れてしまう性格を指す時にも使われています。
【例文】
- 彼女は人見知りで、慣れない人と話をするのを苦にするんですよ。
- 悪気は全くないのだが、人見知りのために感じが悪いと思われがちだ。
内気
「内気」(うちき)は、気が弱くてはつらつと見えない様子や、おとなしくて遠慮しがちな性格を表します。周囲の人を気にしすぎて自分の考えを強く言えない、他人にどのように思われるか不安になる傾向があるということです。
【例文】
- 彼は内気で、人前に出てくることはめったにない。
- 内気な人に図々しく振る舞うと、余計にそっぽを向かれるよ。
「引っ込み思案」の反対の意味に近い言葉
社交的
「社交的」(しゃこうてき)は、自分から進んで話しかけ、お付き合いを上手にする様子を言います。人の輪の中に入って交流するのが全く苦にならない性格を表しています。付き合いが苦手な「引っ込み思案」の人とは正反対の性質ですね。
【例文】
- 叔母は社交的な性格で、周囲に人が絶えない。
- 誰とでも仲良く話せる社交的な人が羨ましい。
人怖じしない
「人怖じしない」(ひとおじしない)とは、知らない人を前にしても全く怖がらずに平気でいる態度のことです。「人怖じ」で初対面の人、見慣れない人を前にどのように話してよいか分からない、緊張して言葉が出ない状況で怖気づいている様子を表します。
「人怖じ」は、「引っ込み思案」と似た意味ですが、それを「~しない」と否定の言葉で打ち消しているので、反対の意味で使えるでしょう。
【例文】
- 人怖じしないCさんは、初めて会う大御所と呼ばれる人にも平気で話しかけている。
- Dさんは人怖じしないので、飛び込みで営業に行くのも苦にならないそうだ。