「ハニー(honey)」とは?意味や使い方をご紹介

「ハニー(honey)」は、ご存知のとおり、蜂蜜を意味する英語です。同時に、古来からの甘みの代表選手として、愛する者への呼びかけを初め、さまざまに「甘さ、美味しさ」をこめた使い方をされてもいます。今回は、その両面からhoneyの意味と使い方を紹介します。

目次

  1. 「ハニー(honey)」の意味
  2. 食物としてのハニー(honey)
  3. 人や物の性質・特質としてのハニー(honey)
  4. 呼称としてのハニー(honey)
  5. 乳と蜜の流れる土地

「ハニー(honey)」の意味

「ハニー(honey)」は、大きく分けて三つの意味群をもつ言葉です。食物としての意味、甘美さ・優しさなどの性質・特性を表す意味、そして、人に呼びかける言葉としての意味。

いずれにしても、古来より蜂蜜が甘いものの代表として捉えられてきたゆえの、「甘さ」を背景とした意味の派生です。今回は、それぞれの意味群にわけて、honeyを解説してまいりましょう。

食物としてのハニー(honey)

カタカナ語として日本語に定着した「ハニー」の意味は、もちろん「蜂蜜」です。日本語では、食物としてはそれ以外の意味をもちません。

英語としてのhoneyは、多少多義的に、下記のような意味をもちます。

  • 蜂蜜
  • 蜜のような甘さをもつもの
  • 花蜜、糖蜜
  • (俗語で)ビール

人や物の性質・特質としてのハニー(honey)

英語では「甘さ」を背景として、「honey」は様々な使われ方をします。

名詞としてのhoney

名詞としての「honey」には、以下のような意味があります。

  • 甘さ
  • おいしさ
  • 恋人・愛する人
  • 素敵な人(物)
  • 素晴らしい人(物)
  • (蜜のような)甘美さ、優しさをもつ人(物)
  • 慰めとなるもの

【文例】
  • He talks to her in a voice dripping with honey(彼は、やたらに甘い声で彼女に話しかけた)
  • You are really my honey, Jane!(ジェーン、君は本当に僕の癒しだよ)

形容詞としてのhoney

「honey」は形容詞としても同様に、甘さや優しさを表す用い方をされています。

【文例】

  • How honey you are, Betty!(ベティ、君はなんて優しいんだ!)

蜜のような甘美さで男性を罠におとしいれるhoney trap(ハニートラップ)や、新婚の蜜月・新婚旅行のhoneymoon(ハネムーン)は、日本語にも定着していますね。

動詞としてのhoney

動詞として「honey」を用いる場合は、少々ネガティブなイメージもまざってきます。お世辞を言う、へつらう、おべんちゃらを言う…つまりは「甘い」言葉で取り入るわけです。

【文例】

  • He always honeys his boss.(彼はいつも上司にへつらっている)

呼称としてのハニー(honey)

英語で用いられる「honey」は、実のところ、「蜂蜜」よりも「呼称のhoney」の頻度のほうが高いと思われます。あらゆる場面で「honey」という呼びかけが溢れているのです。

同じように、「sweetie・dear・daring・babe」などを主なものとして、英語には数えきれないくらいの「呼びかけ言葉」が存在します。

それぞれ含む意味が微妙に異なっていますので、用い方には要注意!親しみをこめたつもりが、とんでもなく失礼な呼びかけになったりもします。

呼称としてのハニー(honey)の注意点

「honey」という呼びかけは一般的なもののひとつですが、夫婦間、恋人間、親しい同性間、親から子、年長から年下に向けて用いるのが基本ライン。

親密な関係ではない異性間で用いる場合は、慎重に。とくに男性が女性に不用意に用いると「Don't honey me!」(そういう呼び方するの、やめてよ!)と拒絶されてしまうかもしれません。これは、ちょっとかっこ悪いですね。

TPOや間柄をわきまえれば、逆に、「甘い」呼びかけ言葉は、人と人との潤滑油になってくれます。英語の「あなた」は、「You」のみです。日本語には、あなた、あなたさま、貴殿、貴兄、貴姉、君、おまえ、あんた…名前で呼ぶ場合も、由美、由美さん、由美ちゃん、由美くん…日本語の豊かさに驚きます。

「You」しかもたない英語では、様々な呼びかけ言葉を加えることによって、こめる感情のニュアンスを補っているのかもしれません。

乳と蜜の流れる土地

ユダヤ教徒、キリスト教徒にとって、ハニー(honey)は、ただ甘く滋養ある食物というだけではありません。

旧約聖書「出エジプト記」の3章8節で、神は、イスラエル人をエジプトから「豊かな土地」に救い出すと約束しています。その豊かさは、「乳と蜜の流れる土地:land flowing with milk and honey」と表現され、旧約聖書に何度も登場しています。

その土地カナン(地中海、ヨルダン川、死海に囲まれた地域の古代名)は、約束の地とも呼ばれています。

神に、豊かさの象徴とされたハニー(honey)。そんなことを思いながら口にすれば、その甘みはさらに深い味わいとなることでしょう。


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