「場面」とは
「場面」(ばめん)という言葉には、大きく分けて3つの意味があります。
- ある状況、または、あることが行われている、その場の様子
- 劇や映画、物語などのワンシーン、一情景
- 市場においての状況や場況
「場面」の使用例
「場面」の使用例を紹介します。
- そんな「場面」に出くわしたら、誰だって戸惑うよ。
- あの人の攻撃的な性格は、あの「場面」に限ってはとても効果的だった。
- 同じような問題が様々な「場面」で見られた。
- この感動的な「場面」は何度観ても泣いてしまう。
- 「場面」転換の仕方がとても上手い。
- 物語の怖い「場面」になると、目をつぶって、手で耳を塞ぐ。
- この会社はようやく上昇場面を演じたが、未だその先は見えていない。
若者言葉としての「場面」
若者言葉としての「場面」とは、「場面行動」(ばめんこうどう)の略であり、「場面行動」という言葉もまた、若者言葉です。「場面行動」は、その場その場での気分や思い付き、流れで行動することを意味します。
- 明日は池袋で買い物して、あとは「場面」で。
- 今日の俺たち「場面」すぎるよな。
「場面」と状況の違い
「場面」に近い言葉に、状況という言葉がありますが、どのような違いがあるのでしょうか。
- その場面について説明してください
- その状況について説明してください
- AさんがBさんを思わず抱きしめてしまった場面
- AさんがBさんを思わず抱きしめてしまった状況
「状況」は光景そのものよりも、その光景にいたる要素やそれに関する流れに重点を置いたニュアンスと言えます。
「場面」緘黙症
「場面緘黙症」(ばめんかんもくしょう)とは、家などでは話すことができるのに、特定の状況や場面(例えば学校や幼稚園、保育園など)では声を出して話せない状態が1か月以上続く症状を指します。選択性緘黙(せんたくせいかんもく)とも言われ、幼少期に発症するケースが多いです。
「場面緘黙症」は人見知りや恥ずかしがりとは違います。わざと話さないのではないか、という見方も全くの誤解です。
症状は人によってかなり差異があり、話せない場面や程度はその人により様々ですが、各人ごとのパターンは一定です。
近年では、「場面緘黙症」は不安症や恐怖症の一種として捉えられるようになっています。話すことそのものが怖いというよりは、自分が話すことを聞かれたり、見られたりすること(結果、どう思われるか)が怖いのだという捉え方です。
原因や発症のメカニズムは明らかになっておらず、研究段階と言えます。ただし、「場面緘黙症」は家庭環境(虐待やトラウマ、過保護など)との結びつきはほとんどのケースで無かったということが分かっています。
「場面」恐怖症
「場面恐怖症」(ばめんきょうふしょう)は、社会不安障害の症状のひとつです。ある特定の状況や人前で、緊張して声が震える、上手く話ができない、などの症状があらわれます。このような症状は性格上のものだと思われがちですが、必ずしもそうではありません。
また、一度現れた症状がまた同じ場面で出てくるのでは、という不安から回避行動を取ることが、日常生活や社会活動にさらなる支障をきたします。「場面恐怖症」に対しては、認知行動療法や薬物療法が主に行われます。