いちごとは?
いちごとは、バラ目バラ科バラ亜科オランダイチゴ属の多年草です。狭い意味では栽培種のオランダイチゴを指し、広い意味ではオランダイチゴ属全体を指します。もっと広い意味では、同じバラ亜科のキイチゴ属(ラズベリー、ブラックベリーなどが含まれる)やヘビイチゴ属も含みます。
食用にされる赤い部分は、正しくは果実ではありません。花托(かたく)、または花床(かしょう)と呼ばれる花の根元の部分が大きくなったもので、このようなものを偽果(ぎか)と言います。
種に見えるつぶつぶのひとつひとつは瘦果(そうか)というもので、これが本来の意味の果実に当たります。そして、その瘦果の中に種子が入っています。
いちごは野菜?
果物として、そのまま食べられることも多いいちごですが、農林水産省の分類では「果実的野菜」とされています。草本性の植物であることが理由のようで、スイカ、メロンなども果実的野菜とされます。
ただし、果物と野菜をどう分類するかは、国や、生産・流通・消費などの分野で基準が異なるものもあり、明確な定義はないようです。
いちごの歴史
ヨーロッパやアジアで自生するいちごは、石器時代には食べられていたようです。当時は小粒かつ甘みも少なく、実を食べるだけでなく、葉、茎、根なども薬として使われていたようです。日本では、平安時代に野生のいちごが食べられていた記録が延喜式(えんぎしき、平安時代の法令集)に残っています。
現在の栽培種のいちごは、18世紀のオランダで、南アメリカ原産のチリ種と北アメリカ原産のバージニア種を交配させたものが始まりです。
日本では、この栽培種のいちごは、江戸時代末期(1830~1840年ころ)にオランダ人が長崎に伝えました。このため、オランダイチゴと呼ばれています。ですが、当時は観賞用程度にしか普及しませんでした。
日本で本格的にいちごが栽培されるようになったのは明治5年(1872年)からです。フランスからゼネラル・シャンジー種という種を取り寄せて、これをもとに「福羽(ふくば)」という品種を育てました。「福羽」の名は、このいちごの栽培に成功した農学博士の福羽逸人(ふくばはやと)氏に由来します。
その後、終戦後の昭和25年以降、全国的に栽培されるようになっていきます。平成29年(2017年)の日本での収穫量は、163,700トンです。
主な産地
- 栃木県 (2018年現在、50年以上連続で生産量1位)
- 福岡県
- 熊本県
- 静岡県
- 長崎県
いちごの英語表現
いちごは可算名詞
いちごは英語で「strawberry」です。「strawberry」は可算名詞(かさんめいし)で、1個、2個と明確に数えられる名詞であり、複数形にできる名詞です。
「strawberry」を複数にするときは、語尾の「y」を「ies」に変えて、「strawberries」にし、その前に個数や量をつけます。たとえば、「いちご3粒」なら「three strawberries」、「いちご1カップ」なら「one cup of strawberries」となります。
いっぽう、可算名詞に対して明確に数えることのできない英語の名詞を不可算名詞(ふかさんめいし)と言います。coffee(コーヒー)、salt(塩)、water(水)などは不可算名詞です。
「いちごを食べたい」英語で
- I want to eat strawberries.「いちごを食べたい」の一般的な英語表現です。
- I want to eat strawberry.「strawberry」の前に個数や量がないので、文法的に間違っています。
- I want to eat a strawberry.文法的にはあっていますが、1粒しか食べられません。
いちごを使った英語の例
- Strawberries are in season now.(いちごは今が食べ頃です。)
- strawberry ice cream(いちごのアイスクリーム)
- strawberry shortcake(いちごのショートケーキ)
- strawberry jam(いちごのジャム)