「弁解」とは
「弁解(べんかい)/辯解」とは、自分の言動の正当性を訴えて、相手の理解を得るために事情などを説明すること、または、その説明のことです。一言で言うと、言い訳、または、言い訳することです。
「弁解」の「弁(旧字「辯」の教育漢字)」には、話す、語る、解き明かすといった意味があり、弁舌や答弁などにも使われています。一方の「解」にも、解き明かすという意味があり、解釈や解説などに使われています。
このような意味を持つ漢字を組み合わせて、「弁解」は、上記のような意味を持った熟語となっています。
「弁解」の使い方
「弁解」を必要とする場面は、自分の言動が法律に触れたり、道徳や常識に照らして非難されるようなことであった場合、学校や職場などのルールに違反したり、命令や忠告を無視して行動するような場合があります。
そのような言動によって、処罰や非難を受けたりしたときに、自分のとった行動や発言の正当性を訴えたり、やむを得なかった事情を説明するような時に「弁解する」、説明しても受け入れられる見込みがない時には、「弁解の余地がない」といった言い方をします。
例文
「弁」の字義
「弁」は、両手でかんむりを持つさまの象形で、本来は、冠(かんむり)を意味します。しかし、現在は、「辨/辧」「瓣」「辯」という三つの漢字の略字として、教育漢字で使われています。
そのために「弁」は、以下で説明する「辨/辧」「瓣」「辯」の意味も兼ね備えた特殊な漢字となっています。
なお、教育漢字とは、義務教育の期間、特に小学校6年間に、読み、書き両方ができるよう指導することが必要であるとされる漢字の通称のことです。また、日本語特有の意味として、関西弁、東北弁というように方言のことを意味する漢字でもあります。
「辨/辧」
「辨/辧」は、「辧」が本字です。両側の「辛」は、入れ墨する針の象形で、刃物を表し、真ん中の刀(=「刂(刀)」で「辡(ベン)」を分けているところから、二つに分ける、わきまえる、けじめ、けじめをつけて片付けるといった意味を持っています。
「瓣」
「瓣」は、「辡」の中に「瓜(うり)」があり、うりを二つに割った中身を指すことから転じて、花びら(花弁/花瓣)、さらに、液体や気体の出入りを調節する弁(調節弁や安全弁など)を意味しています。
「辯」
「辯」は、「辡」の中に「言(ことば)」があり、言葉で刃物を分けることから、争いごとを分けて治めるという意味を持ち、転じて、物事の理由を明らかにする、述べる、話す、語るという意味を持っています。
「弁解」の類語
「弁明」
「弁明(べんめい)/辯明・辨明」には、以下のような二つの意味があり、主に1の意味で「弁解」の類語と言えますが、事実を明らかにするという点に重点が置かれ、正当化に重点を置く「弁明」とは異なります。
- 自分の言動について説明して、相手の理解を求めようとすること。
- 物事の事情などを説明して、筋道や道理を明らかにすること。
【例文】
「釈明」
「釈明(しゃくめい)」は、誤解や非難をされた時に、その相手に理解を求めるために事情を説明することです。「釈」には、不明なことやしこりを解きほぐすという意味があります。相手の理解を得るために事情を説明する点で「弁解」の類語と言えるでしょう。
【例文】