「時々」とは
「時々(ときどき)」は、「時時」とも表記し、「時々/時時(じじ)」と読むこともあります。また、古くは濁らずに「ときとき」とも読んでいました。そして、以下の通り、名詞と副詞の意味があります。
【名詞】
(物事が移り変わっていく)その時その時。
【副詞】
「時」には、時間・時代・潮時・頃合い・季節の移り変わりといった意味があります。また、春夏秋冬を四時(しじ/しいじ)と呼ぶことから、季節を表すこともあります。
そのような「時」を重ねて、連続した時間の中の一定のまとまった「時」と「時」の連なりや繰り返しや間隔を「時々」と表しています。
「時々」の使い方
名詞の「時々」
名詞の「時々」は、季節や気候、時代など世の中の移り変わっていく様子や状態を表します。時間は止まることなく進み、世の中のあらゆる物事は常に変わっていきます。その変化の流れや変化する途中のある一瞬を「時々」で表します。
【例文】
副詞の「時々」
副詞の「時々」は、連続性はあるけれども等間隔ではない時間の間隔や、何かきっかけがあったときに行動するような場合に使います。
【例文】
「時々」の類語
「折々」
「折々(おりおり)」にも、名詞と副詞の意味があります。名詞では、その時その時、副詞では、たまに、まれにといった意味を持ち、「時々」と同義に近い言葉です。また、古典では、徐々に、だんだんといった意味でも使われています。
【例文】
- 定年退職して、風光明媚な田舎に引っ越し、四季折々の自然を楽しんでいます。
- 通勤の折々に見かけることがある女性のことが気になっている。
【古典の例文(『方丈記』より)】
- 齢は歳々にたかく、栖 (すみか) は折々に狭(せ)ばし:「年ごとに齢を取り、住むところは引っ越すたびに狭くなる」
「往々」
「往々(おうおう)」は、物事がたびたびあること、よくあることで、副詞「時々」の1の意味の類語です。「往々にして」という表現でよく使われています。
【例文】
- 彼は趣味に熱中すると、往々にして時間を忘れてしまう。
- 人間は往々にして矛盾したことをすることがある。
「時折」
「時折(ときおり)」は、たまにという意味です。主に副詞「時々」の2と3の意味の類語です。不規則な時間の間隔があるときなどに使います。
【例文】
- 都会で一人暮らしをしていると、時折、故郷の景色が恋しくなります。
- デスクワークの毎日だと気分が塞いできて、時折、太陽の下で仕事がしたくなる。
天気予報の「時々」
天気予報の「晴れ時々曇り」や「曇り一時雨」の「時々」や「一時」とはどういう意味でしょうか。気象用語で、「時々」は、雨が降ったり止んだりしてその合計時間が予報期間(明日の予報の場合は24時間)の2分の1(12時間)より短いことを表します。
他方、「一時」は、予報期間のうち4分の1(6時間)より短い時間、雨が続けて降ることを意味するとされています。
つまり、「時々」は、「時々」の前に置かれた天気よりも後に置かれた天気の合計時間が短いことで、「一時」は、「一時」の前に置かれた天気よりも後に置かれた天気の連続時間が短いということです。