「大盛況」とは?
「大盛況」の意味
「大盛況」は、この三つの漢字それぞれの内容を知ることで、意味がはっきりとわかる言葉です。「大」はおおいに、たいそう、などスケールが「大きい」ことを表します。
「盛」は、訓読みでは「も」る、「さか」ん、と読みます。もともとが、器のなかに物を盛り上げることを指す言葉であり、栄える、勢い・力が増す、などの意味を持ちます。
「況」は、さんずいがついていることからも分かるように、語源は水に関係する言葉でした。「水がますますふえる」ことから転じ、「前より程度が増すこと」、また「(その)ありさま」を表すようになりました。
すなわち、「大盛況」は、たくさんの参加者が大いに盛り上がっているありさまを意味します。イベント、パーティー、コンサート、集会などの催事の状況を示す時に用いられる言葉です。
「大盛況の催事」とは
催事の会場が満員であれば、主催者側が「大盛況」と表現することは可能です。しかし、その催事の質があまりに悪く、参加者がみな不満をもっている場合、参加者側が「あのイベントは大盛況だったね」とは言い難いでしょう。
したがって、主客ともに「大盛況」といえる催事とは、①会場に大勢の人々が集い、②その催事が大いに盛り上がっている、という二つの条件を満たしたものです。
「大盛況」と「盛況」の違い
「大盛況」と「盛況」は、読んで字のごとく、「大」のあるなしの差です。実のところ、この二つの言葉の意味は、辞書的にはほとんど同じであり、「大」は強調的に用いられているとも言えましょう。
とはいえ、人の数がいっそう多く、盛り上がりの程度がいっそう大きければ、「大盛況」がふさわしい言葉です。「満員」と「超満員」の差のニュアンスと似ていますね。
「大盛況」の使い方
「大盛況」という言葉は、その催事の実況中継や、会期中の経過報告などにおいては、「デパートで開催中の北海道フェアは連日大盛況です」のように現在形が用いられます。
一方で、催事終了後に「大盛況だった」ということを表す言い方には、下でご紹介するようにいくつかの種類があります。
「大盛況のうちに幕を閉じる」
「うちに」は「~のあいだに」ということですから、「大盛況のうちに幕を閉じる」は、その催事の開催中は大盛況の状態が続いていたことを指します。
また、「大盛況のうちに千秋楽を迎えた」など、「幕を閉じる」の代わりに催事の種類に応じた言葉と組み合わせることもあります。
【例文】
- アーティストBの全国ツアーコンサートは、大盛況のうちに幕を閉じた。
- ○○の復帰後はじめてとなる公演は、大盛況のうちに千秋楽を迎えた。
「大盛況を収める」
「収める」には「結果として手に入れる」という意味があります。「大盛況を収める」は、「結果として大盛況に終わった」という言い回しです。
【例文】
- B画伯の5年ぶりの個展は大盛況を収めた。
「大盛況を博す」
「博す」は、「博する」の文語形で、「自らのものとする」「広くいきわたる」という意味をもつ言葉。「大盛況を博す」とは、「大盛況をものとした」という言い回しです。
【例文】
- 商店街の活性化のために催した祭りは、人々が詰めかけ大盛況を博した。
「大盛況」の類語
「盛況」の類語には、「大盛り上がり」や「大賑わい」などのほかに、次のような言葉が挙げられます。
「活況(かっきょう)」は、商売・取引などが活発で、景気のよい状態を指し、多く、「活況を呈する」という形で用いられます。
また、「盛会裡(せいかいり)」は、会が盛況であったことを表しており、「盛会裡に終わった」のように使われます。
「大盛況」の英語表現
「大盛況」の英語表現は、対象内容によってさまざまに言い表されますが、基本的なものをいくつか挙げてみましょう。
His concert this June gained a great[huge] success.
訳:6月の彼のコンサートは、大盛況を収めた。
【big hit】
His new movie was a big hit.
訳:彼の新作映画は大盛況だった。
【roaring business】
They are doing a roaring business.
訳:彼らのビジネスは大盛況だ。
【shoulder-to-shoulder】
I enjoyed the shoulder-to-shoulder party last night.
訳:昨晩は、大盛況のパーティーを楽しんだ。