「徘徊」とは
「徘徊」の意味
「徘徊」とは、あてもなく歩き回ることをいいます。本来は単にうろうろと歩き回ることや行ったり戻ったりすることを表しますが、近年ではニュース報道などで認知症の症状としての「徘徊」が社会問題として取り上げられることもあり時事用語としての意味合いが強くなっています。
「徘徊」の使い方
【使用例】
- 不良どもが近所を徘徊しているから気をつけて
- 公園を徘徊する
- あの人は徘徊趣味があるからね
「徘徊」の類語
類語:ぶらつく/うろつく/ほっつく
目的もなくぶらぶら歩くことを「ぶらつく」といい、「商店街をぶらつく」と使います。見慣れないものが行ったり来たりうろうろと歩くことを「彷徨く(うろつく)」といい、「家の前を変な人がうろついている」と使います。また、ふらふらとあてもなく歩き回ることを「ほっつく」といい、「夜遅くまで街をほっつく」と使います。
「ぶらつく」は気楽さが感じられ、「うろつく」は見る人にいぶかしく不安な感じを与える意をこめてあり、「ほっつく」は歩き回る行為に軽侮をこめて使います。
類語:うろつく/さまよう/さすらう
「彷徨く(うろつく)」「彷徨う(さまよう)」「流離う(さすらう)」は、漢字も意味もよく似ていますが、おおまかに言えば「うろつく」「さまよう」「さすらう」の順に距離・時間が長くなります。
類語:散歩
気晴らしや健康のために、戸外をのんびりと歩くことを「散歩」といいます。また、特定の目的が無くても気楽に出歩くことの意もあります。
「徘徊」が場所も時間も不明瞭で「さまよい歩く」という意が強いのに対して、「散歩」は「京都の街を散歩する」や「毎朝散歩するのが日課です」と使われるように、時間や空間に対して、行動する人の「散歩する」という意思が感じられる使い方が多いようです。
「徘徊」とテレビ番組
ここ数年、テレビのバラエティ番組では芸能人が全国の様々な街や観光地を散歩したり徘徊する番組が人気になっています。「ブラタモリ」や「ちい散歩」を先駆けとして、「もやもやさまぁ~ず2」「鶴瓶の家族に乾杯」「有吉くんの正直さんぽ」「ごぶごぶ」「夜の巷を徘徊する」「じゅん散歩」などがあります。
地方番組としても「華丸・大吉のなんしようと?」や「いろはに千鳥」「福岡人志、」など、街ロケ+芸人という組み合わせで人気を博しています。人気者が街中をふらふらと「散歩する/徘徊する」ことによって起こるハプニングや地元の人たちとの触れ合いが温かく楽しいものになっています。
「徘徊」と認知症
「徘徊」の症状
認知症の症状のひとつとしての「徘徊」は、単に「あてもなくさまよい歩くこと」ではありません。認知症の人にとっては、その行動を始める際にはっきりと目的をもって始めます。ところが認知機能が低下しているため合理的な結果に結びつかないことになるのです。
はじめは「家に帰る」「会社に行く」「買い物に行く」「散歩に行く」という目的を持って家を出ます。ところが途中で道を間違えたり、目的を忘れてしまったりすることによって頭が混乱し、その結果「徘徊」を始めることになります。
「徘徊」の原因
認知症による「徘徊」の原因は、大きく分けると以下の3つになります。
- 認知機能の低下
- 不安やストレス
- 前頭側頭型認知症
「徘徊」の予防策
「徘徊」の予防策としては、体調や生活のリズムを整えることや日中に適度な運動をするなどがあります。また徘徊をしてしまったことも考えて、GPS機能の付いた端末を持たせておくことや、服や持ち物に名前を付けておくこと、交番や近所の人にも話をしておくことなどが早期発見のために大切になります。
「徘徊」の同音異義語
- 俳諧(はいかい)
- 滑稽。たわむれ。
- 正統的な和歌に対し、滑稽味を帯びた和歌。
- 連歌の一体。洒落や俗語を用いた卑俗で滑稽なもの。
- 俳句(発句)・連句の総称
正式には俳諧連歌、俳諧の連歌と呼ばれ、その冒頭の発句に独立性を持たせて発句だけを鑑賞するようになったものが俳句になります。時代背景でいうなれば松尾芭蕉の句は「俳諧」、正岡子規以降の句は「俳句」ということになります。